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延命治療のための「胃ろう」 現在40万~60万人が行っている

 日本は、世界に類を見ない速度で高齢化が進んでいる。2060年には、日本の人口の4割が65才以上の高齢者になり、介護需要も今後15年で1.5倍にも膨れ上がると推計されている。

 そんななか注目されているのが、終末期医療における「延命治療」の是非。とりわけ近年、人工呼吸器とともに議論の俎上に上がっているのが、「胃ろう」だ。

 自力でものを食べる、飲み下す(嚥下する)ことが困難な患者の腹部に1cm未満の“穴”=ろう孔を開け、そこに胃ろうカテーテルという器具を挿入して直接、栄養剤を注入する方法を指す。腹部に開いたその“注入口”をつくることを、胃ろうを「造設する」「造る」と表現する。

 現在日本には、胃ろうを造設している人が40万~60万人といわれる。民間の調査機関によれば、2010年度に新しく胃ろうを造った件数は20万件にも及ぶ。今後も高齢化にともない、胃ろうを必要とする患者、なかでも認知症の患者が増加すると見られている。

 一方、今年2月に自民党の石原伸晃幹事長(55才)は、テレビ番組で、胃ろう患者のことを映画『エイリアン』を引き合いに、「人間に寄生している、エイリアンが人間を食べて生きているみたいな」と発言して物議を醸した。

※女性セブン2012年5月3日号

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