ライフ

低迷する検診受診率 メタボ検診43.3%、がん検診22.7%

 日本人の死因の1位はがん(悪性新生物)30.0%。また、虚血性心疾患、脳血管疾患、糖尿病などの“生活習慣病”も全死因の約60%を占めている(厚生労働省調べ)。

「がんも生活習慣病も、最初は痛みや自覚症状がなく、見つかったときには大火事になっているケースが多いのです。

 大切なのは、不調が起こってからではなく、“健康なとき”に、火種を消してしまうこと。そのためには、まずは安価な『メタボ健診』と『がん検診』で充分。高額な人間ドックを毎年受けなくても、同様の効果があります」(医学博士・矢端正克さん)

 40才以上を対象とした健診・がん検診は2種類。

 ひとつは、2008年4月から始まった「メタボ健診(特定健康診査・特定保健指導)」。40~74才を対象に、国民健康保険組合などの医療保険者が、組合員に対して実施することが義務づけられている。職場で定期健診が行われている場合はメタボ健診が含まれていることが多いが、自営業者などには、各医療保険者から受診券や案内が届き、それぞれが指定された医療機関を予約・受診するのが一般的。

 もうひとつは、自治体による「がん検診」。胃・肺・大腸がん検診のほか、女性には子宮がん・乳がん検診の5種類が実施されている(子宮がん検診は20才以上、そのほかは40才以上。受診間隔は自治体により異なる)。

 日本生活習慣病予防協会によると、2010年度のメタボ健診の受診率は43.3%。また、がん検診に至っては、22.7%(厚生労働省・平成19年国民生活基礎調査)と、きわめて低い。

 婦人科医の小屋松安子さんは、がん検診の現状について、こう話す。

「30~40代、とくに家庭にはいっている主婦の受診者数はずっと低迷しています。子宮がんの中でも、子宮頸がんの主な原因はウイルス感染ですから、定期的な検診で早期発見が可能。ところが、自治体が実施する無料検診を受けないだけでなく、職場などの健診で子宮がん検診がオプションになっている場合でも、『忙しい』『健康には自信がある』などと、せっかくの機会を無駄にする人が多いのです」

※女性セブン2012年6月14日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン