国内

消費増税の民主党はマニフェスト破り 国民を騙した詐欺行為

 野田佳彦総理は消費増税に対し「政治生命を賭ける」と語り、増税に意気込みを見せたが、そもそも消費税増税について民主党は2009年の衆院選のマニフェストで何といっていたのか。政治学、行政学専門の後房雄・名古屋大学教授に話を聞いた。

 * * *
 政権負託後、「行政改革」の名のもとに公金支出の無駄を省き、16.8兆円の財源を捻出する――これが政権交代選挙で民主党が掲げたマニフェストです。この徹底的な無駄の洗い出し作業に4年間を要するから、“その間は消費税は上げません”と彼らは約束した。

 マニフェストは国民が政権を選ぶ最大の根拠ですから、政党がマニフェストに縛られるのは当然。守らないというのなら国民は何を信じていいかわからない。簡単に反故にできるものではありません。

 国民が納得できる正当な理由があれば、変更も認められます。民主党側が「これだけ行政改革を徹底したが、10兆円分しか財源を捻出できなかった。残り6兆円分を消費増税で賄わせてほしい」と丁寧に国民に説明していたら話は別です。

 ところが、いま民主党がやっているのは16兆円どころか、1兆円程度の無駄削減で行革を放り出し、いきなり消費税を上げると宣言した。これはマニフェスト違反であって、国民をだまして票を買ったに等しく、詐欺行為という他ありません。

 橋下徹・大阪市長率いる大阪維新の会に支持が集まっています。これは民主党が放り投げた既存の権力構造を変える行政改革への期待を、国民が維新の会に横滑りで託したためと考えられる。つまり、民主党マニフェストに対する国民の支持はいまだ衰えておらず、民主党はまだ放棄してはならないということです。

※週刊ポスト2012年6月29日号

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン