グラビア

大正12年創業 午後7時門限の立ち飲み屋は町の家族団らんの間

店を継いで55年、78歳になった今も元気に店に出る健一郎さん

 いつもの顔がまたひとつ、小西酒店の紺ののれんを分けた。すると、すでに店の中で飲んでいる男たちの顔に、やわらかな風のような微笑が広がっていく。たとえそれが初めての顔であっても、よくここに来たねとばかり、同じ反応が起こるだろう。

「この店のよさはね、布施の町のリビング・ダイニングいうんかな。家族団らんの間みたいな雰囲気なんです。東大阪で働く心ある人間なら、そのへんのことみんなよう知ってます」と、50代サラリーマンの弁。

 そんな小西酒店の歴史は、大正12年から始まる。
「創業者は私の母親。父親が警察官しとりまして、当時の公務員は薄給ですからねえ。内助の功というんか、家計を支えるための内職として始めた酒屋だったようです」
 カウンター越しにそう話すのは、その母親の跡を23歳で継ぎ、78歳になった現在も元気に店に顔を出している小西健一郎さん。

「若い頃から手伝っていたんですけど、店の前掛けをしめるのが恥ずかしくてね。慣れるまでに2年かかりましたわ。落ち着かんかったせいか、お客さんと店の外で取っ組み合いのけんかをしたこともありましたなあ。昔は隣りのお客さんにからむような飲み方をするもんもおったけど、今はみんな仲がいいね」(健一郎さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

中居正広氏の騒動はどこに帰着するのか
《中居正広氏のトラブル事案はなぜ刑事事件にならないのか》示談内容に「刑事告訴しない」条項が盛り込まれている可能性も 示談破棄なら状況変化も
週刊ポスト
離婚を発表した加藤ローサと松井大輔(右/Instagramより)
「ママがやってよ」が嫌いな言葉…加藤ローサ(40)、夫・松井大輔氏(44)に尽くし続けた背景に母が伝えていた“人生失敗の3大要素”
NEWSポストセブン
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
【観光客が熊に餌を…】羅臼岳クマ事故でべテランハンターが指摘する“過酷すぎる駆除活動”「日当8000円、労災もなし、人のためでも限界」
NEWSポストセブン
2013年に音楽ユニット「girl next door」の千紗と結婚した結婚した北島康介
《金メダリスト・北島康介に不倫報道》「店内でも暗黙のウワサに…」 “小芝風花似”ホステスと逢瀬を重ねた“銀座の高級老舗クラブ”の正体「超一流が集まるお堅い店」
NEWSポストセブン
二階堂ふみとメイプル超合金・カズレーザーが結婚
二階堂ふみ&カズレーザーは“推し婚”ではなく“押し婚”、山田美保子さんが分析 沖縄県出身女性芸能人との共通点も
女性セブン
山下美夢有(左)の弟・勝将は昨年の男子プロテストを通過
《山下美夢有が全英女子オープンで初優勝》弟・勝将は男子ゴルフ界のホープで “姉以上”の期待度 「身長162cmと小柄だが海外勢にもパワー負けしていない」の評価
週刊ポスト
京都成章打線を相手にノーヒットノーランを達成した横浜・松坂大輔
【1998年夏の甲子園決勝】横浜・松坂大輔と投げ合った京都成章・古岡基紀 全試合完投の偉業でも「松坂は同じ星に生まれた投手とは思えなかった」
週刊ポスト
夏レジャーを普通に楽しんでほしいのが地域住民の願い(イメージ)
《各地の海辺が”行為”のための出会いの場に》近隣住民「男性同士で雑木林を分け行って…」 「本当に困ってんの、こっちは」ドローンで盗撮しようとする悪趣味な人たちも出現
NEWSポストセブン
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《北島康介に不倫報道》元ガルネク・千紗、直近は「マスク姿で元気がなさそう…」スイミングスクールの保護者が目撃
NEWSポストセブン
娘たちとの関係に悩まれる紀子さま(2025年6月、東京・港区。撮影/JMPA)
《眞子さんは出席拒否の見込み》紀子さま、悠仁さま成年式を控えて深まる憂慮 寄り添い合う雅子さまと愛子さまの姿に“焦り”が募る状況、“30度”への違和感指摘する声も
女性セブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者が逮捕された
「ローションに溶かして…」レーサム元会長が法廷で語った“薬物漬けパーティー”のきっかけ「ホテルに呼んだ女性に勧められた」【懲役2年、執行猶予4年】
NEWSポストセブン
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
「なぜ熊を殺した」「行くのが間違い」役場に抗議100件…地元猟友会は「人を襲うのは稀」も対策を求める《羅臼岳ヒグマ死亡事故》
NEWSポストセブン