7年前の耐震偽装事件を覚えているだろうか? あの時、「オジャマモン」の呼び名で大バッシングを浴びたのがマンション販売会社ヒューザーの小嶋進氏(59)。発覚後にマンションを販売した詐欺罪で懲役3年、執行猶予5年の刑が確定した彼が、事件、裁判について振り返る。同氏は現在、弟が経営する都内の不動産管理会社を手伝い、マンションの清掃などを行なっている。
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販売中止を子会社に指示した録音テープを提出したんですが、部下がその指示を証言してくれなかったから認めてもらえなかった。当事者に抗弁権はなし、です。国としてはヒューザー・姉歯・イーホームズを一括りに悪者に仕立てるという筋書きで、マスコミがそれを助長し、こちらはそれに乗ってタコ踊りしてしまった(笑い)。だけど(元建築士の)姉歯秀次氏も(建築確認検査機関である)イーホームズの藤田東吾氏もそのときまで会ったこともなかったんだから。
そもそも国が認可した検査機関でお墨付きをもらって建てていたわけで、国がらみの構造的な問題のはずなのに、国交省は民間の、個人の事件として矮小化しようとした。国会の証人喚問で『いい加減にしてほしいね、国交省も!』と怒鳴ってしまったこともありましたが、提出された国交省の資料に、ヒューザーが販売していない偽装物件までヒューザーのものとされていたから我慢ならなかった。でも、怒ったらますます悪者にされてしまった。
国会では、イーホームズの藤田社長がこちらだけに責任を押しつけようとするから、『ふざけるな、馬鹿野郎!』と怒ったこともあって、もちろんこれも批判されました。やっぱりね~、教育が足りなかったのかなァ。怒るときはガツンと怒るという信念が国会では通じなかったんだね。
テレビにもよく出たけど、はなから私を悪者にして責め立ててくるから、ああなったらもう駄目ですね。みのもんたの番組(TBS系『朝ズバッ!』)に部下と一緒に出たときは、部下もヒューザーの耐震偽装マンションに住んでいるという話をしようとしたんだけど、『あんた何しに来たの?』『地震来て潰れるかもしれないのに、どういう気持ちで住んでるの?』とまでいわれて。ちなみに、ヒューザーが販売したマンションは、震災でもすべて無事でした。
※週刊ポスト2012年7月6日号