スポーツ

大阪球場伝説のヤジ「野球選手がクーラーをローンで買うな」

 今はなき昭和の野球場をたどるこのコーナー。レトロ球場のなかでも、特に“味わい深かった”のが関西のパ・リーグ球場だ。閑古鳥の鳴くスタンドでよく通る濁声のヤジ、老朽化の進む球場で生まれたウソのような伝説――。昭和後期、長く近鉄でプレーした金村義明氏が“球場のヤジ”の思い出を語る。

 * * *
 まず関西の球場で挙げられるのはヤジですね。総じてヤジがすごかったのですが、満員の甲子園と違って、お客さんの少なかったパの3球場ではよくヤジが通っていました。特徴で分けるならば、笑いを誘うのは大阪球場、言葉が汚い「河内弁」の藤井寺球場、一番上品なのが西宮球場でした。

 大阪球場のヤジは、プレーしていてもつい笑ってしまいましたね。打席に立つ選手に「プロ野球選手がクーラーをローンで買うな」とか、「谷六(谷町六丁目)のホテル街をウロウロしとったらアカンぞ」とか。ホンマに「どこで見てんの?」というほどの、個人情報の暴露大会でした(笑い)。

 あとはヤジが合唱になる。「立てばシャクヤク、座れば牡丹、歩く姿はボケの花。アホ、アホ、アホの加藤~」とか、皆がやりだすんで参りました(笑い)。南海ファンは、選手を尾行してヤジのネタにしてやろうという人ばかりなので、大阪球場で試合が終わると、隠れながら晩飯を食いに行ったものです。

 我が近鉄、藤井寺球場のファンは言葉が汚いので有名でした。河内弁は一人称が「ワイ」で二人称が「ワレ」。凡退しようものなら、「ワレ、しばくぞ」ですからね。余談ですが、このせいで僕の週刊誌のコメントが「ワイ」とか「ワレ」にされました。兵庫・宝塚で上品に育った、18歳の少年は傷つきましたよ(笑い)。

 その兵庫にあった西宮球場は、声のかすれた阪急ファンの八百屋のおっちゃんが大声を出していましたが、内容は上品。兵庫は僕の地元なので、阪急戦でも「金村君だけは頑張りや~」と励ましてもらいました。おかげでサイクルヒットを打ったり、西宮球場では一流選手並みの成績を残せました(笑い)。

※週刊ポスト2012年9月14日号

トピックス

公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』でハリー・ポッター役を演じる稲垣吾郎
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』に出演、稲垣吾郎インタビュー「これまでの舞台とは景色が違いました」 
女性セブン
麻薬取締法違反容疑で家宅捜査を受けた米倉涼子
「8月が終わる…」米倉涼子が家宅捜索後に公式SNSで限定公開していたファンへの“ラストメッセージ”《FC会員が証言》
NEWSポストセブン
巨人を引退した長野久義、妻でテレビ朝日アナウンサーの下平さやか(左・時事通信フォト)
《結婚10年目に引退》巨人・長野久義、12歳年上妻のテレ朝・下平さやかアナが明かしていた夫への“不満” 「写真を断られて」
NEWSポストセブン
人気格闘技イベント「Breaking Down」に出場した格闘家のキム・ジェフン容疑者(35)が関税法違反などの疑いで逮捕、送検されていた(本人SNSより)
《3.5キロの“金メダル”密輸》全身タトゥーの巨漢…“元ヤクザ格闘家”キムジェフン容疑者の意外な素顔、犯行2か月前には〈娘のために一生懸命生きないと〉投稿も
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
バスツアーを完遂したイボニー・ブルー(インスタグラムより)
《新入生をターゲットに…》「60人くらいと寝た」金髪美人インフルエンサー(26)、イギリスの大学めぐるバスツアーの海外進出に意欲
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【ハワイ別荘・泥沼訴訟に新展開】「大谷翔平があんたを訴えるぞ!と脅しを…」原告女性が「代理人・バレロ氏の横暴」を主張、「真美子さんと愛娘の存在」で変化か
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
ハワイ島の高級住宅開発を巡る訴訟で提訴された大谷翔平(時事通信フォト)
《テレビをつけたら大谷翔平》年間150億円…高騰し続ける大谷のCMスポンサー料、国内外で狙われる「真美子さんCM出演」の現実度
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の公判が神戸地裁で開かれた(右・時事通信)
「弟の死体で引きつけて…」祖母・母・弟をクロスボウで撃ち殺した野津英滉被告(28)、母親の遺体をリビングに引きずった「残忍すぎる理由」【公判詳報】
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン