国内

大人女子仕様の渋谷ヒカリエ トイレをスイッチルームと呼ぶ

 日経MJが恒例の今年のヒット商品番付を発表した。とくに注目したいのが渋谷ヒカリエだ。まだ入ったことのない人もいるだろう。間違えて入ってしまった、作家で人材コンサルタントの常見陽平氏が語る。

 * * *
 突然ですが、皆さんは通勤の時に急いでいて、間違って女性専用車に駆け込んでしまったことってありませんか? 私はあります。先日も、朝、急いでいたときに駅員が私を通せんぼするのですよ。デスメタルを爆音で聞いていたので、気付きませんでしたが、女性専用車だと気づいてびっくり。赤面しつつ、音楽をミスチルに変えた次第であります。

 ここ数年、ショッピングモールなどでも性別専用が目立ってきました。

 先日、日本経済新聞者は2012年の日経MJヒット商品番付を発表しました。恒例の企画ですね。西の横綱の7インチタブレット、西の大関LINE、東の小結LTEスマホなど、ネット系、IT系の商品・サービス同様に目立ったのが、商業施設です。東の横綱に東京スカイツリー、同じく小結に阪急うめだ本店、前頭に東京駅、西の前頭に渋谷ヒカリエが入りました。今年はショッピングモールのことを取り上げた速水健朗氏の書籍『都市と消費とディズニーの夢』(角川oneテーマ21新書)も話題となり、スマッシュヒットとなりました。新しい商業施設が話題となった年だったと言えます。

 その中でも注目されるのは、「渋谷ヒカリエ」です。「大人の女性向け」仕様が話題となっています。そして・・・。妻と一緒に行ったら楽しかったのですけど、男同士で行った時のアウェイ感が異常だったのですよ。

 先日、ある編集者さんとヒカリエで待ち合わせたんです。打合せのためです。その頃、私たち二人は、ヒカリエについてあまりに不勉強な状態でした。早めに到着したのですが、何かこう、居心地が悪いのです。いや、施設は快適そのものなのですけど、なんせ女性だらけなのです。編集者さんもそう感じていたようです。あとで、大人の女性を意識した商業施設なのだと知り、「やっぱりそうだったか」と再認識した次第です。メンズのコーナーもあるのですけどね。

 渋谷というと、若い人の街、特に女性においては「ギャル」の街だと思われていますが、東急文化会館の跡地に立ったこのヒカリエは大人の女性仕様にこだわっています。

 まず、快適アクセス。JRに東横線、井の頭線、銀座線、半蔵門線、副都心線が止まる渋谷駅に直結。濡れずに入ることができます。テナントも大人女子が喜びそうなブランドばかり。大人でなければ手が届かない価格設定になっています。

 女性に喜ばれているのがトイレです。ヒカリエでは、トイレのことをスイッチルームと呼びます。気分を切り替える場所という意味のようです。フロアごとに特徴があります。お店で扱っている商品のサンプルを利用することもできます。

 ユニークな接客をしているお店もあります。例えば、ヒカリエに入っている
CLINIQUEでは、腕にバンドをつけることができ、「急いで買いたい」「一人でゆっくり見たい」「相談したい」などの意思表示をすることができます。

 実は白百合女子大学で担当している講義で、商業施設の調査プロジェクトを実施したのですが、学生がもっとも取り上げた施設がヒカリエでした。大学から近いということもありますが、大人女子の世界に興味津々といった様子でした。

 女性専用ネタが続きましたが、だいぶ前にオープンした新宿の伊勢丹メンズ館、数年前にオープンした有楽町阪急のメンズ館など、メンズ仕様のデパートはありますね。ルミネやパルコもどちらかというと、女性向けな感じです。

 この「ターゲットを絞り込む」という発想は満足度をあげる意味でもアリだとは思います。まあ、ターゲットじゃない性別だけの集団で行ったときのアウエイ感が半端なかったですが。

 カップルで行ったときに気持ちいいか、ちょっとだけターゲット外の異性が入り込む余地が微妙に用意されているかどうか。この辺、鍵だと思った次第であります。カップルで行きやすいかどうか、と。

 さて、性別専用型商品・サービス、来年はどんなものが出てくるのでしょう? 激しく傍観したいと思います。夜の電車で東スポを片手に考えた次第であります。はい……こういうおっさんがいるから女性専用車ができるんでしょうねえ。

トピックス

炊き出しボランティアのほとんどは、真面目な運営なのだが……(写真提供/イメージマート)
「昔はやんちゃだった」グループによる炊き出しボランティアに紛れ込む”不届きな輩たち” 一部で強引な資金調達を行う者や貧困ビジネスに誘うリクルーターも
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
藤浪晋太郎(左)に目をつけたのはDeNAの南場智子球団オーナー(時事通信フォト)
《藤浪晋太郎の“復活計画”が進行中》獲得決めたDeNAの南場智子球団オーナーの“勝算” DeNAのトレーニング施設『DOCK』で「科学的に再生させる方針」
週刊ポスト
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
「漫才&コント 二刀流No.1決定戦」と題したお笑い賞レース『ダブルインパクト』(番組公式HPより)
夏のお笑い賞レースがついに開催!漫才・コントの二刀流『ダブルインパクト』への期待と不安、“漫才とコントの境界線問題”は?
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン
韓国・李在明大統領の黒い交際疑惑(時事通信フォト)
「市長の執務室で机に土足の足を乗せてふんぞり返る男性と…」韓国・李在明大統領“マフィアと交際”疑惑のツーショットが拡散 蜜月を示す複数の情報も
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
高校時代にレイプ被害で自主退学に追い込まれ…過去の交際男性から「顔は好きじゃない」中核派“謎の美女”が明かす人生の転換点
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《死刑執行》座間9人殺害の白石死刑囚が語っていた「殺害せずに解放した女性」のこと 判断基準にしていたのは「金を得るための恐怖のフローチャート」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン