『ナニコレ珍百景』(テレビ朝日系)で、踊りながらカットする“ダンシングカット”が紹介されて話題になったのが広島の「美容室マサキチ」。美容師歴37年の藤堂正之さんは地元ではちょっとした有名人だ。
藤堂さんが、白いワイシャツに黒のパンツ、サスペンダー、トレードマークのサングラス姿で出迎えてくれる。
「サングラスがないと恥ずかしいんです」
藤堂さんは、来年還暦を迎えるとは思えない軽やかな身のこなしでステップを踏み、ヒップホップもブレイクダンスも現役バリバリ! クラブなどのイベントにも出場している。自己流でダンスを研究し、踊り続けて37年。
「この趣味がお客さんの間で話題になって、踊りながらカットできるかどうかと冗談半分のところから始まったんです。これも皆さんが喜んだり、ぼくの姿を見て元気になってくれたらいいなぁと思って始めたものなんですよ。80才、90才になっても“ダンシングカット”をやっていきたいなあ」
音楽もジャンルを選ばない。たとえ演歌であろうがロックであろうが、ロックダンスやロボットダンス、ツイストなどなど、即興で踊れるという。もちろん美容師の仕事への誇りも。
「髪は一種の額縁。髪の形によって顔は湖にも、富士山にも、ナイアガラの滝にも見える。同じかたでも毎回同じスタイルにはならないんです。ぼくは根本的に流行にとらわれることはなく、その人に合うヘアスタイルを考えることが美容師としてのいちばんの仕事だと考えています。その人自身の流行を作っていってあげるという気持ちでぼくは仕事をしているんです」
※美容室マサキチ 住所:広島県広島市安佐南区上安2-46-19 定休日:毎週月曜日、第3日曜日 営業時間9:00~19:00
※女性セブン2012年12月27日・1月1日号