世界で8000万人のユーザー数を誇るスマートフォン向け無料通話アプリ「LINE」。通話機能だけでなく、メッセージのやりとりが人気となっているが、そんなLINEを使って彼女ができたという自称「超絶草食系大学生」君がいる。見た目は今風の男子学生、といったところだろうか。ところが、女性とコミュニケーションをとるのがとても苦手なのだという。
「まず基本的にメールが無理なんですよね。送ることすらできなくて……。電話はもっと無理。大学ではしゃべれるんですけど、自宅に帰ってから送ることが気が引けちゃって。だからご飯とか行く予定も立てられずで……」
彼は学部の飲み会などには積極的に参加していたし、自身がベースを務めるバンドのライブではサークルの後輩女子から黄色い声援が上がることもあるという。にもかかわらず、なぜメール、電話ができなかったのか?
「一番は女の子に“重い”と思われたくないからですかね。自分のいないところでなんて言われてるのか心配になっちゃって。“絵文字どうしよう?”とか、“どんなノリでメールすればいいんだ”とか良く分からなくて。」
しかし、LINEをダウンロードしてから、女子と連絡を取ることのハードルが下がったそうだ。その秘訣はチャット風の画面がもつ手軽さと、文字を使わなくてもよいスタンプ機能にあるという。
「後輩の女の子が突然LINEしてきたんですよ。メッセージ見ると『既読』って表示されちゃうから仕方なく何か返事せねば、って思って。それでスタンプを送ったら意外に楽でハマっちゃいました。そこからご飯を誘われて、ちょくちょく寝る前にスタンプと短文でやりとりするようになって」
コミュニケーションの敷居を下げてくれる手軽さが、彼を一歩前進させたようだ。「既読」表示を嫌がる声は、しばしば耳にする。それは“読んだことが相手にバレているから、返事しなくては”という義務感が生じることや、相手が読んでいると分かっているのに、自分に返事をくれないモヤモヤ感などが原因のようだ。
しかし自称「超絶草食」君にとってこの表示は、メッセージを読んだことを相手に伝えるだけではなく、「返信する」ことを後押しする機能も果たしていたのだ。いまでは素人童貞を無事卒業し、彼女との大学生活をエンジョイする彼いわく、「LINEは棚ボタでした(笑)」とのことだ。