ライフ

ギリシャ語語源の“テトラポッド”は登録商標 一般名称は?

 高木道郎氏は1953年生まれ。フリーライターとして釣り雑誌や単行本などの出版に携わり、北海道から沖縄、海外まで釣行している。その高木氏が、危険な釣り場について解説する。

 * * *
 堤防の役割は防波であり、波止である。したがって、堤防は荒波が打ち寄せるような場所に設置されることが多い。また、波が堤防を越えてしまう危険性の高い場所などでは、堤防の外側に消波ブロックを積み上げる造設パターンが一般的である。

 消波ブロックは波消しブロックとも呼ばれ、打ち寄せる波の力を分散するために造られたコンクリートブロックのこと。以前はテトラ、テトラポッドという呼び名が一般的だったが、これは登録商標であり、固有名詞なので、一般名詞としては消波ブロックが用いられるようになった。

 ちなみにテトラポッドは4本脚を意味するギリシア語が語源。消波ブロックにはテトラポッドのような立体型のほか、平型、階段型、直積型などがあり、波や潮流の特性、使用する海岸の地形や自然環境に合わせて使い分けられている。

 波の力を弱めるには波力や水流を分散する隙間を設ける必要があり、ブロックの形状は積み重ねたときに効率よく隙間ができるように設計されている。この隙間が魚たちには格好の棲処となる。

 現在ではアクアリーフ、アバロン、三基ブロック、六脚ブロック、シーロック、中空三角ブロックなどの種類があり、その形状や大きさは釣りの足場にも影響する。並べ方が不規則でも足場を確保できれば釣りは可能だが、ブロック自体が大きいと足場が安定せず、隙間も広くなるので転落の危険が増す。

 消波ブロック上の釣りは基本的に自己責任で行ない、立入禁止や釣り禁止となっている場所には入らないこと。ちなみに、私はブロックからの転落経験がある。幸い無傷だったが、買ったばかりの竿とリールはついに戻らなかった。ウキや小物などの落下事件は数知れず。故に、私は消波ブロックの釣りが苦手であり、よほどのことがない限りは立ち入らない。

※週刊ポスト2013年2月1日号

関連キーワード

トピックス

「新証言」から浮かび上がったのは、山下容疑者の”壮絶な殺意”だった
【壮絶な目撃証言】「ナイフでトドメを…」「血だらけの女の子の隣でタバコを吸った」山下市郎容疑者が見せた”執拗な殺意“《浜松市・ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
連続強盗の指示役とみられる今村磨人(左)、藤田聖也(右)両容疑者。移送前、フィリピン・マニラ首都圏のビクタン収容所[フィリピン法務省提供](AFP=時事)
【体にホチキスを刺し、金のありかを吐かせる…】ルフィ事件・小島智信被告の裁判で明かされた「カネを持ち逃げした構成員」への恐怖の拷問
NEWSポストセブン
2人は互いの楽曲や演技に刺激をもらっている
羽生結弦、Mrs. GREEN APPLE大森元貴との深い共鳴 絶対王者に刺さった“孤独に寄り添う歌詞” 互いに楽曲や演技で刺激を受け合う関係に
女性セブン
無名の新人候補ながら、東京選挙区で当選を果たしたさや氏(写真撮影:小川裕夫)
参政党、躍進の原動力は「日本人ファースト」だけじゃなかった 都知事選の石丸旋風と”無名”から当選果たしたさや氏の共通点
NEWSポストセブン
セ界を独走する藤川阪神だが…
《セの貯金は独占状態》藤川阪神「セ独走」でも“日本一”はまだ楽観できない 江本孟紀氏、藤田平氏、広澤克実氏の大物OBが指摘する不安要素
週刊ポスト
「情報商材ビジネス」のNGフレーズとは…(elutas/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」は“訴えれば勝てる可能性が高い”と思った》 「情報商材ビジネス」のNGフレーズは「絶対成功する」「3日で誰でもできる」
NEWSポストセブン
入団テストを経て巨人と支配下選手契約を結んだ乙坂智
元DeNA・乙坂智“マルチお持ち帰り”報道から4年…巨人入りまでの厳しい“武者修行”、「収入は命に直結する」と目の前の1試合を命がけで戦ったベネズエラ時代
週刊ポスト
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン
韓国・李在明大統領の黒い交際疑惑(時事通信フォト)
「市長の執務室で机に土足の足を乗せてふんぞり返る男性と…」韓国・李在明大統領“マフィアと交際”疑惑のツーショットが拡散 蜜月を示す複数の情報も
週刊ポスト