夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、資材メーカー勤務のご主人(48歳)。奥様(48歳)は深夜までショップチャンネルを見ているそうです。
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アンチエイジングに効く商品を見るのが大好きなんです。出演している主婦が「50歳だというと、周りから『見えな~い』と驚かれます」と発言すると、「見えるわよ、50歳そのままよ」などとけなすのが楽しみらしいんです。
散々けなした後は、自分の欲しい洋服を購入しているようですが、これがパソコンのクリックミスで色違いを注文したりしてしまうことが多いんです。「仕方ないわよ。深夜に眠いのを我慢して注文するから、ミスするのよ」
ここは女房孝行です。いつもは先に寝てしまう僕ですが、金曜の夜、「明日は休みだし、一晩付き合うよ。『これが欲しい』といってくれれば、クリックするから」「ありがとう。アナタって優しいのね」
ソファに座ったまま、僕にしなだれかかる女房。クリックしたら、久しぶりに女房もクリック。な~んて。でも、なかなか注文せず、「オイッ、まだ決まらないのか?」「だって気に入ったものがないんだもん」
気が付くと朝6時。虚しさを強烈に感じた朝でした。
※週刊ポスト2013年2月15・22日号