国内

細野豪志議員 民主党代表選辞退の陰で愛娘誕生直後の死

 自民党が圧勝した衆議院選挙から2か月。大惨敗した民主党を立て直すべく、幹事長に就任したのが細野豪志議員(41才)。昨年12月、総選挙後に引責辞任した野田佳彦氏(55才)の後任を巡っての代表選でも、細野氏を推す声が圧倒的に大きかった。

「昨年9月の代表選でも細野さんの名前が挙がりましたが、その時は“まだ準備ができていない”と辞退したんです。だから今回こそは引き受けてもらえるだろうと、党内の細野グループ12人はみな彼に立候補を促した。でも彼は“今は党の再生を支えるひとりでありたい”と、かたくなに出馬を拒んだんです」(全国紙記者)

 困惑と落胆、失望の色をにじませ、みな口々にその真意を尋ねたが、細野氏は決して口を開かなかったという。

 しかし、1月中旬、民主党のある会合で、初めて本人の口からその真相が語られた。「生まれたばかりの娘が亡くなったんです」──時期は、まさに12月の代表選の直前だった。細野氏は沈痛な面持ちのまま振り絞るようにこう続けたという。

「党内のことを最優先で考えなければならない時期だったのは充分にわかっている。それでも、あの時だけは、父として家族に尽くすべきだと思ったんです」

 民主党関係者はこう話す。

「お子さんの出産予定日は今年の6月だったんですよ。それが半年もの早産で…。体重は700グラムしかなかったそうです。

 細野さんは毎日病院に通って奥さんに付き添っていました。赤ちゃんには家族で考えていた名前をつけ、何度も呼びかけ励ましていたそうです。でも残念ながら、数日後に息を引き取ったと聞きました」(前出・民主党関係者)

 最愛の娘が亡くなり、悲しみに打ちひしがれていた夫妻。代表選はそんなさ中に行われていたのだ。

 実は細野氏は、新代表の海江田万里氏(63才)から幹事長就任を打診されたときも、一度は断るつもりだったという。もちろん、傷心の妻を気遣ってのことだが、妻は逆に、夫の背中をこんなふうに押したという。

「細野さんは奥さんから“あなたは政治家です。党のためにできることをやってください”と言われたそうです。出産直後で、体も思うように動かせず、自分以上につらい思いをしているはずの奥さんからそう言われて、細野さんは誓ったそうですよ。“私は妻の思いを受けて幹事長になる覚悟を決めました”と語る彼の目には涙が浮かんでいました」(別の民主党関係者)

 細野氏の事務所に聞くと、「その件につきましてはノーコメントとさせてください」との回答だった。

※女性セブン2013年2月21日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン