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メガバンク生き残り 銀行・信託・証券の連携加速させ実績向上

 メガバンクが生き残りをかけて、新たなビジネスモデルを模索している。銀行、信託、証券などの“グループ協業”もその1つ。金融ジャーナリストの森岡英樹とジャーナリストの永井隆の両氏が、そのような協同事業や人事交流についてリポートする。

 * * *
「ガリバー・野村証券がインサイダースキャンダルで力を落としているいまこそ証券分野を伸ばす絶好のチャンス。欧米の金融機関も早晩、復活してくるだろう。その前にどこまでグローバルな地位を引き上げられるかが勝負だ」

 あるメガバンク幹部はそう社内にハッパをかけている。カギは銀行・信託・証券など業態を跨ぐ連携、グループ戦略が握っている。目下、大きな動きがあるのはみずほ。新年早々、FG傘下のみずほ証券とみずほインベスターズ証券が合併し、新生「みずほ証券」が誕生した。「野村に伍す証券に育てる」(幹部)と鼻息が荒い。

「みずほは2012年の日本企業によるM&Aアドバイザリーランキング(取引金額ベース。M&Aの助言業務などの規模を示す)で野村を抜き首位に立った。この機を逃すことなく一気呵成にシェア拡大を目指すということだろう」(外資系証券幹部)

 と競合他社は戦々恐々だ。今年7月にはリテールを中心としてきたみずほ銀行とホールセールのみずほコーポレート銀行が合併する予定。「One MIZUHO」をスローガンに、グループの一体的な経営を急ピッチに進めている。

 現在は銀行と証券は各業法で分離され、情報交換などを規制するファイアー・ウォール(業務隔壁)が設けられているが、その壁も規制緩和で低くなってきて、シナジーを追求しやすくなっている。

 みずほでは、銀行・信託・証券の連携強化のためのチームを置いており、人材交流も盛んだ。コーポレート銀行の大企業法人部門と証券担当者、銀行の中堅・中小企業部門と信託の担当者など連携は多様。連携チームがその“結節点”になる格好だ。例えば銀行と信託は共同店舗を展開しており、支店内に信託の「トラストラウンジ」を開設している。

「以前は銀行サイドから“なぜ信託のために場所を貸すのか”という声が出た時期もありましたが、連携が進んだことに加え、今はいつ相手の立場になるかもわからないくらい人材交流が盛んなので、銀行、信託の別なく協力し合っています」(前出の岩波氏)

 こんなエピソードが“3業一体化”を象徴しているのかもしれない。

「お客さまの了承を得て銀行の支店長と一緒に証券の社員が訪問した際、証券社員の態度がなってないと支店長がたしなめた」(西山弘一・みずほ証券連携営業推進部副部長)

 同じグループでも別会社の社員であり部下ではない者を叱責するのは、実はなかなか珍しい光景だ。それができる程度には連携が進んだと評価できる。

「銀行・信託・証券を交えた飲み会もよくやっています。連携が密なところほど実績も上がっています」(西山氏)

※SAPIO2013年3月号

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