ライフ

飯茶碗と汁茶碗の両方に蓋がついていた時の小粋な作法とは?

『きょうの料理』『あさイチ』(ともにNHK)などで人気の料理研究家・鈴木登紀子さん(89才)が、食事中の基本作法を伝授する。

 * * *
 まず、お食事中は必ず両手が食卓の上にあること。子供さんに顕著なのですが、片手をだらんと下げたままにしている人や、膝の上においたままの人がなんと多いことか!「おけがでもなさっているの?」と、意地悪ばぁばは聞きたくなります。

 今の時代、必ずしも利き手にお箸、反対の手に器を持つ…とは限りません。しかし、たとえフォークやスプーンを持つにしても、使っていない手は器に添える、あるいはテーブルの上にきちんと出して見せておくのがマナーです。もちろん肘をつくのは御法度です。

 そうして姿勢よく座り、食べものを口に運びます。口から食べものを迎えに行ってはいけません。これは「犬食い」といって、日本でも海外でも、いやしい食べ方として軽蔑されます。

 次に、日本料理の場合、「いただきます」をして、まず手に取るのは器です。お箸ではありません。器を利き手の反対側の手のひらにのせてから利き手でお箸を取り、器の底を支えている中指の腹に箸先を滑り込ませます。それからお箸を持ち替えて、お料理をいただくのです。戻すときはお箸が先になります。

 なお、大皿料理を取り分けていただく際は、必ず小皿をお使いになることと、ほかのかたのお世話はしないこと。「お先に」と一声かけて自分の分を取り、さっさと取り箸を譲ればよろしいのです。

 ちなみに、飯茶碗と汁椀の両方に蓋がついて供された場合は、蓋の口が大きいほうをクルッと仰向きにして、小さいほうの器の口をのせるように重ねてください。辺りを水滴でびちゃびちゃにしない小粋な作法ですよ。これを知っておりますと、ご同席のみなさまに一目置かれること、間違いなしでございます。

※女性セブン2013年5月2日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

ロシアのプーチン大統領と面会した安倍昭恵夫人(時事通信/EPA=時事)
プーチンと面会で話題の安倍昭恵夫人 トー横キッズから「小池百合子」に間違われていた!
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問される佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
《ブラジルへ公式訪問》佳子さま、ギリシャ訪問でもお召しになったコーラルピンクのスーツで出発 “お気に入り”はすっきり見せるフェミニンな一着
NEWSポストセブン
「日本人ポップスターとの子供がいる」との報道もあったイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
イーロン・マスク氏に「日本人ポップスターとの子供がいる」報道も相手が公表しない理由 “口止め料”として「巨額の養育費が支払われている」との情報も
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
《会社の暗部が暴露される…》フジテレビが恐れる処分された編成幹部B氏の“暴走” 「法廷での言葉」にも懸念
NEWSポストセブン
渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さん出産》“一卵性母子”と呼ばれた小室圭さんの母・佳代さんが「初孫を抱く日」 知人は「ふたりは一定の距離を保って接している」
NEWSポストセブン
長嶋茂雄さんとの初対戦の思い出なども振り返る
江夏豊氏が語る長嶋茂雄さんへの思い 1975年オフに持ち上がった巨人へのトレード話に「“たられば”はないが、ミスターと同じチームで野球をやってみたかった」
週刊ポスト
元タクシー運転手の田中敏志容疑者が性的暴行などで逮捕された(右の写真はイメージです)
《泥酔女性客に睡眠薬飲ませ性的暴行か》警視庁逮捕の元タクシー運転手のドラレコに残っていた“明らかに不審な映像”、手口は「『気分が悪そうだね』と水と錠剤を飲ませた」
NEWSポストセブン
金田氏と長嶋氏
《追悼・長嶋茂雄さん》400勝投手・カネやんが明かしていた秘話「一緒に雀卓を囲んだが、あいつはルールを知らなかったんじゃないか…」「初対決は4連続三振じゃなくて5連続三振」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《レーサム創業者が“薬物付け性パーティー”で逮捕》沈黙を破った奥本美穂容疑者が〈今世終了港区BBA〉〈留置所最高〉自虐ネタでインフルエンサー化
NEWSポストセブン
《女子バレー解説席に“ロンドン五輪メダル組”の台頭》日の丸を背負った元エース・大林素子に押し寄せる世代交代の波、6年前から「二拠点生活」の現在
《女子バレー解説席に“ロンドン五輪メダル組”の台頭》日の丸を背負った元エース・大林素子に押し寄せる世代交代の波、6年前から「二拠点生活」の現在
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! ミスター長嶋茂雄は永久に!ほか
「週刊ポスト」本日発売! ミスター長嶋茂雄は永久に!ほか
NEWSポストセブン