ビジネス

【ドル円週間見通し】バーナンキFRB議長の証言が波乱要因に

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、5月20日~5月24日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は、22日のバーナンキFRB議長の議会証言を見極める展開となる。バーナンキFRB議長が出口戦略に前向きな発言をした場合は、ドル高トレンドに拍車がかかることが予想されるが、従来通りの慎重なスタンスを示した場合は、上げ渋る展開が予想される。

 ドル安・円高材料としては、19日に米国連邦債務の暫定的な上限引き上げ措置が期限を迎えるが、先送り措置が合意に至らない場合、米国債デフォルト(債務不履行)、格下げ懸念が高まる。円安材料は、本邦機関投資家がオープン外債投資を本格化させた場合となる。

【本邦機関投資家の外貨建て資産への投資】
 本邦機関投資家による外貨建て資産への投資が徐々に始まっているが、現状は、依然としてヘッジ付きでの慎重なスタンスと想定されている。本邦機関投資家の外債投資がオープンとなり、円高局面をヘッジするドル売りポジションの買い戻しが本格化するタイミングを見極める展開となる。

【日本の4月貿易収支】(22日)
 日本の4月の貿易収支は、10か月連続の貿易赤字(-6373億円、3月-3640億円)が予想されており、円売り要因となる。

【日本銀行金融政策決定会合】(21~22日)
 日本銀行金融政策決定会合では、日本の1-3月期実質国内総生産(GDP)速報値(前期比年率+3.5%)を受けて、景気の現状判断の上方修正が予想されており、円安要因となる。

【バーナンキFRB議長の議会証言】(22日)
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙のFRBウォッチャーでバーナンキFRB議長のスポークスマンといわれるヒルゼンラス氏による観測記事「米国連邦準備理事会(FRB)、年内、量的緩和第3弾(QE3)の縮小の可能性」を受けて、バーナンキFRB議長の見解が注目される。

【新規失業保険申請件数】(23日)
 5月の雇用統計の調査対象週の5月18日週の新規失業保険申請件数が大幅に減少していた場合、米国5月の雇用統計が改善する可能性が高まる。6月の連邦公開市場委員会(FOMC)で、量的緩和第3弾(QE3)の縮小が協議される可能性が高まることで、ドル買い要因となる。増加していた場合は、雇用統計が悪化する可能性が高まることで、ドル売り要因となる。

 5月20日~24日に発表される主要経済指標のポイントは次の通り。

○(日)4月貿易収支 -- 22日(水)午前8時50分発表
・予想は、-6373億円
 既公表の4月上中旬の貿易収支は7535億円の赤字。赤字額は前年同月比でやや縮小している。輸出が多少持ち直しているが、月間の貿易赤字額は3月の実績を大きく上回る見込み。

○(米)4月中古住宅販売件数 -- 22日(水)日本時間午後11時発表
・予想は、499万戸
 先行指標の中古住宅販売成約は、3月が+1.5%、2月は-1.0%。販売件数は主に1、2か月前の成約の数字が反映される。対象2ヶ月の結果を考慮すると4月と同水準となる可能性がある。

○(米)4月新築住宅販売件数 -- 23日(木)日本時間午後11時発表
・予想は、42.5万戸
 参考指標の住宅建設業者(NAHB)指数は4月42←3月44と低下し、マイナス要因。住宅ローン金利は3.4%台で推移しており、中立要因。住宅ローン申請指数内訳の購入指数はやや上昇しており、プラス要因。3月41.7万戸からやや増加する見込み。

○(米)4月耐久財受注 -- 24日(金)日本時間午後9時30分発表
・予想は、前月比+1.7%
 参考指標となる4月ISM製造業景況指数の内訳「新規受注DI」は52.3と3月51.4から上昇。ただし、4月の各地区連銀公表の製造業関連指標は総じて低下している。航空機需要次第となるが、コンセンサスをやや下回る可能性がある。

 主な予定は、20日(月):(米)4月シカゴ連銀全米活動指数、23日(木):(米)新規失業保険申請件数、24日(金):(米)4月製造業受注。

【予想レンジ】
・ドル・円99円00銭~104円00銭

関連記事

トピックス

ロッカールームの写真が公開された(時事通信フォト)
「かわいらしいグミ」「透明の白いボックス」大谷翔平が公開したロッカールームに映り込んでいた“ふたつの異物”の正体
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン