国内

エベレスト登頂・三浦雄一郎氏を支えた妻の手料理「鮭の頭」

「70才、80才で夢をあきらめる人が多すぎる。80才でスタートだと思えばいいんです」

 史上最高齢の80才でエベレストの登頂に成功した冒険家の三浦雄一郎さん(80才)は、そう言って笑った。70才、75才とすでに2度のエベレスト登頂を果たしていた三浦さん。3度目の成功で前人未到の高みに到達したが、意外にもその登山人生は、挫折だらけだった。

「最後で最高の夢をかなえたい」と三浦さんがエベレスト登頂を目標に掲げたのは65才のとき。しかし、長年の暴飲暴食がたたり、当時は身長164cm、体重86kg、体脂肪率45%という完全なメタボ体形…。おまけに狭心症、高脂血症、高血圧を患っていた。

 トレーニングを始めようにも、わずか500mの山で息が上がり、足が動かない。これは登山以前の問題だと、三浦さんは食生活の改善を試みることになった。それを支えたのが妻の朋子さん(80才)だ。

「奥さんは、晩酌に缶ビール1本しか許さず、納豆やヨーグルト、キムチなど発酵食品を食べさせました。ただ三浦さんの肉好きは直らないので、ビタミンB群や亜鉛をバランスよく摂取できるように、豚、牛、鶏、羊といろんな種類の肉を食卓に並べていたそうです」(三浦さんの知人)

 食生活に加えトレーニングの成果もあり、70kgまで体重を減らした三浦さんは、その後、見事エベレスト登頂を成し遂げた。だが、2度目の登頂の翌年、76才の時に、スキー中の事故で左大腿骨を骨折してしまう。医師から「運がよければ歩けるようになるかも」と告げられるほどの大怪我だったが、ここでも愛妻の手料理に救われた。

「朋子さんは毎日、鮭の頭を丸ごと圧力釜で煮込んだ料理を作って三浦さんに食べさせました。柔らかくなって骨ごと食べられ、これがカルシウムだけでなくマグネシウムやビタミンDも豊富で、リハビリに励む三浦さんのまさに血や骨になったんです」(前出・三浦さんの知人)

 こうした「鮭の骨料理」効果で三浦さんは怪我を克服し、登山復帰。そして今回、80才での登頂を果たしたのだ。

※女性セブン2013年6月13日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト