ビジネス

24歳中国人女性留学生 “転売ヤー”ビジネスで年収800万円

 有名家電量販店などで売られる激安商品を買って、それをネットなどで定価に近い金額で転売し、利ざやを得ている集団。彼らは『転売』と『バイヤー(買い手)』をかけて“転売ヤー”と呼ばれている。

 日本にも多くいる中国人転売ヤーの正体は、中小の貿易商社や輸入・輸出雑貨店が中心だという。買い手を集める方法は、中国語のインターネット掲示板や微信(中国版LINE)などのスマホアプリが中心。日本に来ている留学生などがそれに応募して、バイトとして並ぶのである。

 転売ヤー経験のある中国国籍の男性がいう。

「掲示板でもそのままの表現はしないね。隠語がある。親(転売ヤー)は『神医(神の医者)』、買い出しバイトを『小護士(看護師)』と、まるで病院の仕事のように表現してるんだ。バイト代は前日の深夜から並ぶ場合は7000~1万円。タイムセールのように2、3時間の拘束であれば3000~5000円程度だね」

 商品の大半はネットオークションなどを介して中国で転売される。中でもiPadなどのApple製品や最新ゲーム機は特に人気。中国大陸で不足がちなので、飛ぶように売れるという。

「任天堂やソニーの最新ゲーム機は、一時的に定価の3倍や5倍になることもザラ。中国は日本よりも発売日が後なので、早く手に入れたい人は高額でも買うからね。新商品発売時期になれば、100人単位の『小護士』を導入し、スピードが大事なので買った商品をワンボックスカーに詰めて成田空港に直行するんだ」(前出・中国人男性)

 そうした組織による転売以外に、個人でやっているケースも増えている。シャネルなど全身ブランド物で固めた中国人女性は、24歳の留学生ながら「大きなビジネスですよ」と豪語する。

「都心の家電量販店のタイムセールに週3回通っています。中国で売られている日本の家電製品は、同機種でも日本よりも2、3割高い。日本の定価に送料を上乗せしても、“安い”と売れるんです。最近は円安傾向なので買い手は増える一方。私、このビジネスだけで年収800万円です」

※週刊ポスト2013年6月28日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

昨年は甲子園に出場した村田浩明監督だが…
【ブチギレ音声/「頭がおかしいんじゃねぇか!」】名門・横浜高校野球部の村田浩明監督 試合後、球児に怒号で現場騒然 ハラスメント行為かの問いに学校の見解は
週刊ポスト
ゆたぼん
ゆたぼん「中学校に登校宣言」と「父親ブロックで“親離れ”」YouTuberとしての未来はどうなるのか
NEWSポストセブン
“筆マメ”として知られる広末涼子(時事通信フォト)
『らんまん』松坂慶子の「1人2役」で“不倫騒動”広末涼子の再登場はなくなったのか
NEWSポストセブン
羽生結弦(写真は2022年)
【全文公開】羽生結弦を射止めた「社長令嬢のバイオリニスト」実家は“安倍元首相との太いパイプ”の華麗なる一族
女性セブン
真剣な面持ちで撮影に臨むタローマン
【「なんだこれは!」と言わせたい】「TAROMAN」仕掛け人が総括する「視聴者を惹きつけるクリエイティブ」【短期連載・てれびのスキマ「『フェイク』のつくりかた」】
NEWSポストセブン
フジ・宮司愛海アナ(右)と常田俊太郎氏
【全文公開】フジ・宮司愛海アナ、東大卒実業家兼音楽家と育んでいた半同棲愛 本人は「うふふふ」
週刊ポスト
『VIVANT』続編に中居正広起用の可能性も?(時事通信フォト)
『VIVANT』続編 サプライズ起用される大物俳優は誰か?「木村拓哉ではなく中居正広」説が急浮上
週刊ポスト
羽生結弦(AFP=時事)と末延さん
羽生結弦と結婚の末延麻裕子さんの関係は“憧れのプルシェンコ”にリンクする 「スケーターとバイオリニストの相性はいい」
NEWSポストセブン
推しの名が書かれたうちわを掲げておおはしゃぎ
【筋金入りの「スー女」】川口春奈、国技館で相撲観戦 推し力士「翔猿」の名前入りうちわを振って応援
女性セブン
滝沢秀明氏に告発
「滝沢秀明は強制的にキスをさせる」ジャニーズ性加害問題当事者の会代表が新たな疑惑を告発
女性セブン
野球に真摯に向き合う“似たもの同士”の2人(写真/共同通信社)
【大谷翔平とトラウト】富や名声にこだわらない“似た者同士”の2人 来季の去就にどう影響するのか
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 生涯「金持ち父さん母さん」でいる新常識ほか
「週刊ポスト」本日発売! 生涯「金持ち父さん母さん」でいる新常識ほか
NEWSポストセブン