働かずに親元で暮らす無職の子供たちが増えていると言われて久しい。当然、その子供たちだけでなく、親たちも年をとった。仕事をリタイアし、年金暮らしという親も少なくない。
夫婦の年金だけで、働こうとしない38歳の長男を養っているEさんは、75歳になったのを機に、長男に家計の現状を包み隠さずに伝えたという。
「貯金通帳の残高や不動産、生命保険など、すべての財産を子供に見せました。私は何もいいませんでしたが、子供は『親が死んだら、これだけしか残らないのか』と、かなり真剣に受け止めてくれたようです。
先日、小さな声で『アルバイトでも探してみようかな』とポツリともらしていました。働く気持ちが出てきたというだけでほっとしました。だけど、『頑張れ』などといって余計なプレッシャーをかけず、ただ温かく見守ってやりたいと思っています」(Eさん)
※週刊ポスト2013年6月28日号