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サムスン 長年の仇敵もいまや日本企業にとっては運命共同体

 日本の家電メーカーを世界市場から駆逐し、覇者となった韓国のサムスングループの株が急落、スマートフォンに傾注してきたその事業形態の危うさが指摘されている。日本のメーカー関係者からも「そら見たことか」などという声も上がっている。

 しかし、サムスンと日本企業は、巷間いわれるような対立関係にはない。今年3月に発表されたサムスンとシャープの提携。経営再建中のシャープは104億円の融資の代わりにサムスンに液晶テレビ用パネルを供給することで合意した。

「遂にシャープはサムスンの軍門に下ったか──といった論調で解説されていましたが、少し位相が異なります。サムスンはシャープの液晶パネルが欲しいわけではなく、本当の狙いはコピー機に代表される複写機事業です。シャープの同事業は隠れた優良事業です。世界的にデフレ傾向の続くマーケットではいくらテレビやスマホのシェアをとったからといって成果はたかがしれている。

 それよりも企業を顧客とした、『BtoB』事業に活路を見出そうとしています。サムスンが欲しいのは確実に利益が出て安定した事業──その事情をシャープもわかっているから、それを交渉材料にサムスンからよりよい融資を引き出そうとしているんです」(大手紙経済部記者)

 長年の仇敵は日本企業にとって、いまや“運命共同体”となりつつある。

※週刊ポスト2013年7月12日号

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