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慶応卒の元銀行員 2年で退社し38歳の今も家にひきこもり中

 7月12日、読売新聞の「人生案内」に〈定職に就かない30代長男〉という60代主婦の相談が載った。

〈30代の長男と2人で暮らしていますが、息子の将来が心配です。(中略)息子に、ちゃんとした仕事に就いて、10万円くらいは家に入れてもらいたいと何度も言っているのですが、変わりません。(中略)今は年金と貯金を崩して、生活費を全部、私が払っています。父親がいなくなったのに、何も変わらないままの息子の態度が情けなくて、泣きたくなります〉

 そうした働かない子供たちの問題を、『週刊ポスト』は過去2回にわたり取り上げてきた。

【「働かない、働けない息子と娘」に今すべきこと、してはいけないこと】(6月28日号)、【働かない、結婚しない、家から出ないわが子をどうしたら?】(7月12日号)は、いずれも大きな反響を呼んだ。

 読売新聞への投書は特別な例ではない。本誌編集部にも同様の悩みを抱える親からの電話が相次いでいる。誰にも相談できず、人知れず悩んでいる親がいかに多いことか。そして、月日が経つうちに事態はより深刻化していく。まずは「高年齢化」だ。

 神奈川県の開業医Aさん(69)の息子(38)は医師の道には進まなかったものの、慶応義塾大学を卒業後、大手都銀に入行。エリートコースを歩んでいた。

 ところが入社2年後から、出社拒否をするようになった。理由は明かさない。その後、“ウツになった”といい、会社を退職して、ひきこもるようになった。

 しばらくして再就職活動を始めるも、一流企業志向が邪魔をして、なかなか就職先が決まらない。上手くいかない日々に思い悩み、また部屋に閉じこもる悪循環に陥った。結局、彼は38歳の今も家にひきこもったままだ。

 Aさんは息子が働く気になるまで見守ることを決意。相続税の負担を軽減するためにも、生前贈与を考え始めている。

 30代後半といえば、社会ではまさに働き盛り。実家で親に面倒を見てもらう年齢ではない。

※週刊ポスト2013年8月2日号

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