女性のファッショントレンドは季節ごとにがらっと入れ替わる。今年の春夏ファッションでは「ネオンカラー」「花柄スキニー」「ストライプ」「透け素材」「キャップ」などが流行しているが、そんな中、20代女性をメインターゲットにした“赤文字系”ファッション誌界隈でトレンドの兆しを見せているのが「ビスチェ」だ。いったいどのようなものか、スタイリストの一人は次のように解説する。
「ビスチェとは、もともとブラジャーの紐がない下着のことを指すフランス語です。ブラジャーの下の部分が長くなっており、おヘソの辺りまでカバーするので、腹部を細くみせるコルセットと同様の効果が期待できます。
今年の夏は、『ViVi』『BLENDA』などの女性ファッション誌を中心として、ビスチェがよく採り上げられていますね。流行の“透け素材”を羽織ったり、ビスチェ1枚で下にスキニーを合わせるファッションなどが提案されています」
しかし、この「ビスチェ」を着こなすのはなかなかハードルが高い。アパレル関係に勤務する男性(26歳)は次のように話す。
「本人はスタイルが良い自分を“イケてる”と思って着ているのは分かります。もちろんトレンドを採り入れているんだというのもよく分かる。でも、皆がそれを雑誌モデルのように着こなすのは難しいと思います。
ヘソ出しファッションは1990年代の“コギャル”流行時代にもトレンドだったので、その再来という感じがします。いくら自分に自信がある女性でも、過度の露出は魅力を半減させるし、“軽い”“品がない”印象を与えるのも事実。雑誌の中の物をすべて採り入れれば良いという訳ではありません」
過度の露出に注意が必要なのは、見た目だけの問題ではない。前出スタイリストも「ビスチェはおヘソそやお腹周りの肌が露出してしまうので、冷えにも注意しなければなりません。女性にとって冷えは大敵ですから」と指摘する。流行に乗るのは、そう簡単なことではないようだ。