ビジネス

高須院長「参議院を廃止して有識者による貴族院を作るべき」

「貴族院の復活を」と提言した高須院長

 7月の参院選で圧勝した自民党。これまでのねじれ国会を解消し、次の参院選まで3年間の「安定政権」を確立することとなった。人気シリーズ企画「かっちゃんに訊け!!」では、前回の衆院選では、某党から出馬のオファーもあったという高須クリニック・高須克弥院長が、今回の結果を受けて、「参議院」について自由に語る!

 * * *
──さて、夏の参院選は自民党の圧勝という結果で、今後3年間の“安定政権”が築かれました。

高須:ねじれ国会のほうがよかったとはいわないけど、やっぱり自民党・公明党に対する歯止めが効かなくなっちゃうよね。そう考えると、参議院の存在価値がほとんどなくなっちゃったっていう気もするんだよ。まあでも、そもそも今は衆議院も参議院も選挙制度に大きな違いはないし、なるべくしてなった結果なのかもしれないね。

 たとえば「地方選挙区は衆議院、参議院は全国区の比例代表だけ」とか、選挙制度にそれくらいの違いがあれば、もっと別の結果になったんだろうけど。

──かつて参議院では地方区と全国区での選挙が行われてましたよね(1980年まで。その後、全国区は比例代表制に変更)。一方、衆議院は中選挙区のみだったのが、1994年から小選挙区比例代表並立制になりました。

高須:そうそう、昔のほうが衆議院と参議院の差別化ができてたんだよ。だけど、選挙システムが変わっちゃって、同じようなものになった。法律っていうのは、どんどん進化しているように思えるけど、実は退化してるっていうことも珍しくないんだよね。日本の選挙制度は、まさにそれ。退化してる。

──なるほど。たしかに、現状では二院制の意味がよくわからないですね。

高須:もう差別化できないんだから、参議院なんか廃止しちゃえばいいんだよ。衆議院で落選した人が、参議院で返り咲くとか、そういうのもおかしい。でもどうしても二院制じゃなきゃダメっていうんなら、貴族院を復活させたほうがいいよ。

──貴族院ですか。戦前に戻っちゃう感じですね。

高須:貴族院っていうとちょっと違うのかもしれないな。元老院っていったほうがいいのかな。つまり、庶民の代表としての議院ではなく、まったく欲得に絡まない人たちで議院を作るっていうのがいいと思う。

 たとえば、ノーベル賞受賞者とか、文化勲章受章者とか、あとは芥川賞・直木賞受賞者でもいい。世間的に「この人は、間違いなく“有識者”だ」って認められるような人を選んで、国会で議論してもらう。国民が選挙で選んだ人っていうのは、地域の利益に直接絡んでくる人であって、いろいろと利害関係で動いちゃうわけだよ。でも、誰もが認める“有識者”だったら、そういう個人的な利害関係は無視して、本当の意味で“国のため”になる法律を作れると思うんだよね。

 とはいっても、結局その“有識者”をどう選ぶかっていう問題もあるんだけどね。そこで普通に選挙をしちゃったら、今までと変わらなくなっちゃうな(笑い)。タレント候補ばかりになったりしてね。

──そこが難しいところですよね。かといって、選挙なしで選ぶっていうのも難しいと思うし…。

高須:まあ、思い切って選挙なしで選んでもいいじゃない? とりあえず、ノーベル賞受賞者2人と、東大の教授2人、あと人間国宝何人かと、直木賞作家1人、芥川賞作家1人、国民栄誉賞を受賞したスポーツ選手も1人…みたいな感じで、ササッと選んじゃってね(笑い)。さすがに適当すぎるけど、実はそれくらいの変化が必要かもよ。

 あと、これは完全にぼく個人の勝手な意見だけど、参議院選挙には一定以上の高額納税者じゃないと立候補できないっていうのはどうだろうか。富裕層の参議院と庶民の衆議院で議論すれば、バランスが取れるでしょ。世の中には、庶民とお金持ちがいるわけで、どちらかだけを優遇するのはおかしい。もし富裕層ばかりを優遇したら、そりゃあもちろん庶民から文句が出てくるだろうし、逆に庶民ばかりを優遇して、富裕層を冷遇していたら、「お金持ちになったほうが損する…」ってなっちゃうでしょ。それはちょっと夢がないよね。そうならないためにも、“高額納税者の参議院”を作ってバランスを取るっていうのもいいと思うんだけどな…。さすがに、ムリかな、これは(笑い)。

 * * *
 その存在価値が問われている参議院について、持論を展開した高須院長。もし新たな「貴族院」が誕生したあかつきには、是非とも高須院長にも議員になっていただきたい!

【プロフィール】
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。脂肪吸引手術をはじめ、世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。

 昭和大学医学部形成外科学客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。高須クリニック院長。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広い。金色有功章、紺綬褒章を受章。著書に『バカにつける薬 ドクター高須の抱腹絶倒・健康術』(新潮OH!文庫)、『私、美人化計画』(祥伝社)、『シミ・しわ・たるみを自分で直す本』(KKベストセラーズ)、『ブスの壁』(新潮社、西原理恵子との共著)など。近著は『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)。

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン