ビジネス

回転寿司の代用魚 アナゴの代わりにウミヘビ科の魚使用例も

 回転寿司は安く庶民の味方ではあるが、時に表記の魚とは異なるものも使われている。「代用魚」だ。その実態はどうなっているのか。ジャーナリスト・吾妻博勝氏が現状を明かす。

 * * *
 軍艦の「イクラ」には「マス子(マスの卵)」が代用されている。一時はサラダ油と海藻エキスを使った「人造イクラ」が出回ったが、安価なマス子の流通で姿を消した。人気の「カンパチ」や「ブリ」にも代用ネタが多い。カンパチの偽装に多用される「スギ」は「コバンザメ」に類似した魚だ。大型魚の「シイラ」もカンパチに偽装されることがある。ブリの代用魚は、大型魚の「シルバーワレフ」が定番だ。

 江戸前寿司に欠かせない「アナゴ」の代用にはペルー産の「マルアナゴ」が使われることがある。その名前からアナゴの仲間を連想するが、別物のウミヘビ科の魚だ。深海魚の「ヒモダラ」を「ヒラメ」や「アイナメ」として提供していた回転寿司店の店長は、私の取材に悪びれる様子もなくこう言い放った。

「どこから入手するのか、業者が得体の知れない魚を持ち込むことがあるが、試食してみて商品にできると判断すればネタとして使う。まったく別の魚でネタ偽装することなど回転寿司では常識だ。だから安く食べられるのだし、いちいち例を挙げればきりがない」

 もちろん、これはすべての回転寿司店に当てはまる話ではないし、産地や原材料名を明確にする店も増えてきた。だからこそなおのこと、安さを理由にネタの偽装を正当化することはできない。   

※SAPIO2013年9月号

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン