国際情報

中国スパイ容疑拘束の実態 監視者に挟まれて巨大ベッドで睡眠

 中国外務省は9月11日、日中問題の論客としてメディアに頻繁に登場してきた朱建栄氏(東洋学園大教授)を“スパイ容疑”で拘束していることを事実上認めた。同氏は7月中旬に上海を訪れた直後から消息不明になっていたが、中国国家安全省の警察に逮捕され、取り調べを受けていたという。当局発表がないだけで、拘束されている知日派の失踪者はたくさんいるとの情報もある。

 拘束の実態は悲惨だ。ある在日中国人はこう語る。
 
「主要都市に置かれている国家安全省の秘密施設である『招待所』に軟禁される。ホテルと病院を併せたような施設で、ひとりに対して、数十人で監視体制を敷き、尋問を受ける。食事も一緒、トイレも一緒、夜はキングサイズのベッドで両脇の監視者に挟まれながら寝ることになる」
 
 今回の情報統制のポイントは、逮捕や拘束が上海に集中していることにある。知日派の中国人学者がこう指摘する。

「上海は反日教育を推し進めてきた江沢民・元国家主席が率いる“上海閥”の地盤。今も党や軍には上海閥の人間が大勢いる。彼らが日本で有名な中国人を集中的に拘束することで、一般の中国人に恐怖を植え付けて、日本への情報を完全にシャットアウトしている。比較的、対日政策では穏和だと思われてきた習近平政権も、上海閥の動きに引きずられ、対日強硬策に舵を切ったように見える」

 中国では、もう20年以上なかったほどの超厳戒態勢が敷かれている、と在日知識人は口を揃える。日系メディア特派員の解説。

「今、日本に対し、1989年に民主化デモを武力で弾圧した『天安門事件』直後並みの情報の封じ込めが行なわれている。つまり、対日の情報面で“有事直前の厳戒態勢”が敷かれているといえる。尖閣諸島などでの武力衝突を視野に入れ、その時になって一切、日本に中国側の情報が漏れないように統制を強めているということだ。日本は外交上、極めて危険な立場に立たされる」

 情報戦で中国の容赦ない先制攻撃に晒されている。

※週刊ポスト2013年10月4日号

トピックス

女優・遠野なぎこ(45)の自宅マンションで身元不明の遺体が見つかってから2週間が経とうとしている(Instagram/ブログより)
《遠野なぎこ宅で遺体発見》“特殊清掃のリアル”を専門家が明かす 自宅はエアコンがついておらず、昼間は40℃近くに…「熱中症で死亡した場合は大変です」
NEWSポストセブン
俳優やMCなど幅広い活躍をみせる松下奈緒
《相葉雅紀がトイレに入っていたら“ゴンゴンゴン”…》松下奈緒、共演者たちが明かした意外な素顔 MC、俳優として幅広い活躍ぶり、174cmの高身長も“強み”に
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
ロッカールームの写真が公開された(時事通信フォト)
「かわいらしいグミ」「透明の白いボックス」大谷翔平が公開したロッカールームに映り込んでいた“ふたつの異物”の正体
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン