芸能

堺正章にダメ出しのTBS枡田絵理奈アナ 番組卒業に贈る言葉

 女子アナはテレビの華。が、誰にも番組を離れる瞬間はやってくる。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が、気になる存在の“卒業”について綴る。

 * * *
 人気料理バラエティ番組『チューボーですよ!』(土曜午後11:30 
TBS系)。アシスタントを務めてきたアナウンサー・枡田絵理奈さんは、11月16日(土)限りで番組を卒業。来週から石田純一氏の娘で女優・歌手のすみれさんにバトンタッチ。枡田さんのファンの私としては、とっても寂しい。「キョショー!」というあの甲高い声が、もう聞けなくなるなんて。

 番組でMCをつとめるのは芸能界の大御所・堺正章。その“キョショー”に対して、「味が辛すぎませんか?」と直球で指摘する枡田さん。マチャアキ相手にここまで媚びず臆せず、ダメ出しができる局アナって、いったいどれくらいいるのでしょう?

 つっこむ枡田さんに対して、「あんた、あたしの母親か?」と怒り出すキョショー。そのあたりがこの番組の醍醐味。ちっとも嫌みじゃない。他のどの番組にも似ていない。不思議な空気が流れていました。

 大御所・マチャアキすら楽しく上手に手のひらの上へのせて扱う枡田さん。この番組で「毒舌キャラ」を確立したとまで言われます。が、礼儀をおさえた上での毒舌ぶりというか。アナウンサーの型を持った上での、辛辣さというか。ふざけているようでふざけきらない、絶妙なバランス感覚というか。

「キョショーが作った料理をただおいしいと褒めるだけではなくて、ある意味ドキュメンタリーであり、リアリティーを求める番組なので、キョショーの成功もうれしいし、失敗も失敗で素直に表せるようにしてきた」(「webザテレビジョン」11月13日)と枡田さんは番組を振り返って語っていました。

 そのコメントから見えるのは、自らの率直な感想と番組のねらいに沿って盛り上げる戦術と、両方を駆使していたということ。だから、大物相手に辛辣なコメントをしても、生意気だったり出過ぎた感じがしなかった、ということではないでしょうか。

 一方で枡田さんはプロ意識が高く、ゲストの紹介をする時は資料も見ずにカンペキに暗記。アナウンサーとしての型と矜恃とが垣間見えました。

 そもそも「メディア」の語源は、ミディアム=中庸。メディアの中でも「アナウンサー」の役割は特に、物事を偏り無く伝える客観的な伝達者です。ところが、今のアナウンサーには、「サービス業」「楽しませる」という一面も期待されています。

「客観性」と「娯楽性」。そのバランスがよいアナが人気を集める時代、と言っていいでしょう。

 反対に、バランスが偏っている人、「私が私が」とやたら目立ちたがったり、媚びたり、崩しすぎのアナウンサーはウケが悪い。 恒例の「1200人アンケート『好きな女子アナ』『嫌いな女子アナ』2013秋」(週刊文春)の順位を眺めるとそう感じます。

 ちなみに、「好きなアナウンサー」ランキングで、枡田さんは堂々3位に入りました。

 では第1位は?

 大江麻理子さん(テレビ東京)。彼女も、おふざけ番組も楽しんでこなす一方で、プロフェッショナルにニュースを伝える軸をしっかりと持つ人。番組を進行させていく力と、場を楽しませる力のバランスが問われているのでしょう。

 1位に輝いた大江さんは、いよいよ来年4月から報道番組のメインキャスターに抜擢されました。小谷真生子さんとバトンタッチし、「ワールドビジネスサテライト」(毎日午後11時)を回すとか。

 では、チューボーを卒業する枡田さんは? 次の活躍の場をいかに用意できるか。TBSの腕の見せどころでしょう。

関連記事

トピックス

「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(容疑者の高校時代の卒業アルバム/容疑者の自宅)
「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン