寒さが深まり、アツアツのおでんがおいしい季節。おでんは地域によってだしも違えば種も違うと話すのは、全国のおでんを食べ歩いたおでん研究家の新井由己さん。
「おでんと一括りに言っても、地域によってだしや種、つけダレの味はさまざま。最近はコンビニでも各地で味を変え、ご当地おでんを展開しています。いつものおでんの味に飽きたら、ご当地おでんに挑戦してみるのも楽しいですよ」(新井さん・以下「」内同)。
兵庫県姫路のおでんは、アクセントのきいたしょうがじょうゆで食べる。
「戦後、姫路でしょうがじょうゆをおでんにかけるようになりました。おでんの入ったお皿にたっぷりかけるスタイルと、小皿に作りつけて食べる2種類。さっぱりとした風味で、飽きなく食べられます」
沖縄県の定番は豚足とソーセージ。野菜も添えて栄養もバッチリだ。
「沖縄おでんの中心となるのが豚足(ティビチ)。そのほか、冬なら小松菜やほうれん草など野菜が添えられるのは、健康バランスを考える沖縄ならでは」
讃岐うどんと一緒に食べるのが香川県民流だ。
「香川ではからしみそのつけダレをつけて食べる。さらに讃岐うどん店には大抵おでん鍋が置いてあり、うどんとセットで食べるんです」
最後に、新井さんにおでんの歴史を教えてもらった。
■おでんの始まりは豆腐の田楽から
「おでんがはじめて文献に登場したのは室町時代。豆腐を串に刺して焼き、みそだれをつけて焼いたものが始まりといわれています」
■煮込みおでんの始まり
「江戸時代、こんにゃくを焼かずにしょうゆで煮込むように。やがて明治時代ほかの素材も入って汁たっぷりのおでんへと変化しました」
■飲めるつゆが大ヒット
「濃い味の関東煮おでんのつゆが上品な薄味に改良されると飲めるつゆとして大ヒット! そこからおでんの人気が広まりました」
※女性セブン2013年12月12日号