芸能

美奈子 注目を集める背景に無防備さとヤンキーへの郷愁

『痛快!ビッグダディ』で注目を集め、タレントに転身した美奈子(30才)。ビッグダディと離婚し、6人の子供のシングルマザーとなってからは、バラエティーやイベントに引っ張りだこ。自伝『ハダカの美奈子』は23万部を突破し映画化もされた。今月発売された子育て本『母親失格 それでも、子どもが強く明るく育つ理由』も話題だ。一方で、彼女の言動にはいつも批判の声がつきまとう。われわれはどうして美奈子のことが気になってしまうのか? コラムニストのペリー荻野さんに聞いた。

 * * *
 見ている人の共感と反感が、これだけはっきりわかれる人も珍しいです。彼女は著書で15才での妊娠や親からのDVなど壮絶な過去を告白していますけれど、これに関しても“苦労してるね。気持ちはわかる”という共感がある一方で、“子供が嫌な思いするのになぜこんなことするの”という反発の声も多い。その振れ幅が非常に大きいのが特徴です。
 
 芸能界でも、離婚したママドルで、山口もえさんとか、千秋さんとかいますよね。彼女たちの場合、離婚や子育てのことを語っても、共感も反感もあるけれど、その振れ幅は美奈子さんほどないと思うんですね。

 なぜ美奈子さんは、これだけ注目の対象となるのか。そのひとつは、彼女の危うさ、無防備なところにあるのではないでしょうか。テレビを見ていると、赤裸々に過去を語ったり、シングルマザーへの講師役をやったり、あまり後先の事を考えずにやっているんじゃないかな、という印象がある。そうした無防備なところが、見ている側は気になるというか、次に何をやるのだろうと、見届けずにはいられなくなってしまうのです。

 共感する人の声をみていくと、男性と女性では支持する理由が違うと思います。男性からすると、大きな荷物を背負いながら健気に頑張っている彼女の姿を見て“おれが守ってあげなければ”という気持ちが働く。一方、離婚して女手ひとつで子供を育てている姿に、夫に愛想を尽かしている女性や子育てに苦労している女性が共感している部分もあるでしょう。ビッグダディと離婚したときに、「別れてどうやってやっていくの?」と誰もが思ったと思うのですが、それでも自分の道を貫く姿勢を支持する女性もいると思います。

 もうひとつ、ヤンキーへの理解もあると思います。美奈子さん自身、高校時代、不良グループに入って学校を中退したことを、著書で語っていますが、ヤンキーを受け入れる素地というのは日本人にもともとあって、彼女のことを共感するわけじゃなくても身近に感じている人も多いと思います。

 自分がヤンキーじゃなくても、若くして結婚した元ヤンキーの知人とか、成人式に子連れで来ていた元ヤンキーの同級生に会ったことがある人って意外に多いと思うんです。同級生こんなヤンキーがいた、こんな女番長がいた、という記憶がひとつはありますよね。『スケバン刑事』『ビー・バップ・ハイスクール』などのドラマや、『あまちゃん』の春子も元女番でしたし、われわれは日々の暮らしや情報のなかでヤンキー文化を共有しています。

 だから、不良グループに入っていたという彼女の過去は違和感がなく、むしろ昔はワルだったけれど今はお母さんとして頑張っている美奈子さんの姿は、誰もが持っている元ヤンの友の記憶を呼び起こすというか、どこか懐かしさを感じながら見ている人もいるのでは? だから、“あのコは子供いるのに生活していけるのか”とか“離婚してどうするんだろう”と、同級生のことを語るように噂の対象になりやすいのではないでしょうか。

関連記事

トピックス

山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン