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2013.12.05 07:00  週刊ポスト

「前立腺がんの陽子線治療やPSA検査は無意味」と米専門機関

 アメリカの医学界が、今まで必要と思い込んでいた医療行為の中で無駄なものを追放するキャンペーンを進めている。がんをピンポイントで照射する陽子線治療は、一昨年7月から1年間で1628件実施され、患者の自己負担分だけで約42億円(1人当たり約258万円)かかっている。

『前立腺ガン 最善医療のすすめ』(実業之日本社刊)の著者である藤野邦夫氏が語る。

「患者は高額な先進医療が効くと誤解しているが、すでに複数の研究で陽子線治療の費用対効果が低いことが示されている。陽子線の装置や施設を作る費用は約80億円もかかる。公的な医療機関なら、すべて税金です。だから、日本ではいまさら不要論をいいにくいのでしょう」

 そもそも前立腺がんは進行が遅い。なのに、前立腺がんを発見するためのPSA検査は自治体の約70%で実施されている。

「PSA検査は放っておいてもいいがんまで見つけてしまう。そこで、検査の開発者であるリチャード・アブリン自身が、検査を止めれば医療費の節約だけではなく、不要な治療がなくなるといっている。

 日本では、不必要とする厚生労働省と、必要とする日本泌尿器科学会で意見が対立しているのが現状です。私も、血縁者に前立腺がんがいるなど高リスクの人や排尿問題など症状のある人は受けるべきだが、低リスクの人で定期的な検査は必要ないと考える」(藤野氏)

●企画・取材/室井一辰(医療経済ジャーナリスト)

※週刊ポスト2013年12月13日号

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