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クリスマスイブは12月の他の日より「13倍」ケーキが売れる日

 12月、家庭で購入する食品はなにが多いのか。調べると典型的な日本人の消費行動がわかった。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏がリポートする。

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 クリスマスシーズンになると、スーパー、百貨店、小売店店頭にはクリスマスケーキやチキンが山と積まれる。もっとも、そうしたクリスマスから年末にかけてのイメージは、家計支出の実態とは少し異なる。

 総務省の家計調査には、「品目分類による日別支出」という項目がある。食料品ではスイーツでケーキ、カステラなど十数項目、食肉も牛、豚、鶏など細分化された支出額平均が1年間365日分、1日ずつ算出されている。

 例えば昨年(平成24年)の12月の調査結果(二人以上の世帯)を見てみると、ケーキ、チキンというこの時期の食べ物にまつわる支出でも、微妙にタイミングが異なっている。

 例えばケーキの売上はクリスマス・イブに集中する。12月の一世帯あたりのケーキに対する支出平均額は1375円。その約三分の一に相当する414.97円が24日に支出されている。この日を除外した同月の1日平均の支出額は32円。つまり12月でもイブは特別で、他の日の約13倍、ケーキが売れる日ということになる。

 ちなみに前日の23日は139.71円、翌日の25日は96.42円と、1か月のケーキに対する支出のうち、約半分がクリスマス時期に集中しているのも、12月のケーキの売れ方の特徴といえよう。

 もう一方のチキン。こちらの売れ方はケーキとは微妙に異なる。月の支出額としては、ケーキとほぼ同額の1388円。一日平均約45円となる。クリスマスシーズンの鶏肉への支出を見ると23日に60.32円、24日62.5円、25日39.1円とそれほど突出していない。

 月単位で見ても、鶏肉よりもむしろ牛肉のほうが伸び率は大きい。牛肉は前月の1406円から2517円と8割近く支出が増えているのに対し、鶏肉は前月の1070円に対して、1388円と約3割の伸びにとどまっている。

 12月、とりわけクリスマスと言えばチキン!というのは、家計においてはイメージに過ぎず、実は12月は牛!と言ったほうが家計の実態にそぐうのだ。

 そして実は12月の肉への支出は、クリスマスよりもむしろ “年越し”に集中する。鶏肉は29日に75.54円、30日に101.82円、31日に88.07円と、支出はふだんの約5割増しに。牛肉に至ってはこの月の平均支出が約81円なので、29日174.35円(約2.1倍)、30日300.62円(約3.7倍)、31日390.8円(約4.8倍)となっている。

 ふだん買わないケーキをクリスマス・イブには買い、鶏肉は30日に買って雑煮などの用意をする。そして正月用のすき焼きやローストビーフ用の牛肉は大晦日に購入。これが12月における日本人としての消費行動の “正解”のようだ。

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