国内

スカイツリーの落雪対策 67台の監視カメラに100人の警備員

 この冬は大雪の可能性があるという。2011年元日未明には、鳥取県の国道9号線で大型トラックがスリップ事故を起こし、約2時間にわたって道路を塞いだ。この影響で約1000台が25kmにわたって立ち往生する事態があった。

 道路が通行不能になると物流などにも大きな影響が出る。スーパーやコンビニエンスストアなどへの弁当など食品の配送が大幅に遅れるのは避けられない。

「コンビニではつくったばかりの新鮮な弁当などの食品を決まった時間にトラックで店舗に運び込んでいる。基本的にストックしていないので、物流がストップすると商品は売り切って終わり。地域住民の生活に大きな影響が出てきます。

 また消防車や救急車などの緊急車両が通れなくなる。火事があっても拱手傍観するしかなく、重篤な患者も救えない」(防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏)

 人的被害も出る。昨年1月の大雪では400人近くが病院に搬送された。凍った道路で足を滑らせる転倒事故がほとんどだが、落雪による被害者もいた。東京・墨田区の東京スカイツリー(高さ634m)では落雪で周辺の住宅の屋根に穴が開くなどの被害が報告されている。管理している東武鉄道は次のように話す。

「地上350mと450mの展望台にヒーターを設置して雪が付着するのを防止しています。また67台の監視カメラを設置するとともに、50人から100人の警備員を巡回させて雪の付着状況をチェックしています。危険な状態だと判断した場合は、近隣の住民や通行人に『落雪にお気をつけ下さい』などと書いたビラを配布します」(広報宣伝部)

※SAPIO2014年2月号

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