国内

予算成立後の国会 与野党組み換えの可能性も含め緊張感必至

 通常国会が始まり、安倍晋三首相は開会初日の1月24日に衆参両院の本会議で施政方針演説をした。

 演説をみると、マスコミで「安倍政権の大問題」と騒がれるテーマはどう扱われていたか。たとえば、集団的自衛権や憲法改正問題は拍子抜けと言えるほどあっさりしていた。具体的には、こう書かれていた。

「集団的自衛権や集団安全保障などについては『安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会』の報告を踏まえ、対応を検討してまいります」

 憲法改正に至っては「責任野党と政策協議をする」と語ったうえで「そうした努力を積み重ねることで定数削減を含む選挙制度改革も国会改革も、そして憲法改正も必ずや前に進んで行くことができると信じております」と述べたにすぎない。

 集団的自衛権の見直しや憲法改正に反対する勢力からみれば、これは「争点隠し」と映っただろう。新聞も「重要課題がそっけない」(毎日新聞、25日付社説)などと批判した。たしかに政権が重要課題と考えるのであれば正々堂々、真正面からもっと踏み込むべきだというのは、正論である。

 だが、私は安倍政権はこれらの問題に深入りするだけの準備が整っていないのが真相ではないか、とみる。本音は深入りしたくても、できる見通しが立っていないのだ。

 というのは、与党の公明党が慎重であるからだ。山口那津男代表は「通常国会会期中に集団的自衛権に結論を出すのは困難」と語っている。

 これは、連立組み換え問題に直結するテーマでもある。山口は「連立離脱は考えられない」と言っているが、みんなの党の渡辺喜美代表は安倍首相から電話で「政策協議をしよう」ともちかけられた一件を暴露した。安倍は演説で示唆したとおり、さっそく動いている。

 つまり、みんなの党や日本維新の会など集団的自衛権の容認と憲法改正に積極的な野党との連携が進んで、場合によっては公明党が連立離脱しても大丈夫、という見通しが立てば、そのとき初めて一歩を踏み込める。

関連キーワード

関連記事

トピックス

無期限の活動休止を発表した国分太一(50)。地元でもショックの声が──
《地元にも波紋》「デビュー前はそこの公園で不良仲間とよくだべってたよ」国分太一の知られざる “ヤンチャなTOKIO前夜” 同級生も落胆「アイツだけは不祥事起こさないと…」 【無期限活動停止を発表】
NEWSポストセブン
広島県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年6月、広島県。撮影/JMPA)
皇后雅子さま、広島ご訪問で見せたグレーのセットアップ 31年前の装いと共通する「祈りの品格」 
NEWSポストセブン
草野刑事を演じた倉田保昭と響刑事役の藤田三保子が当時を振り返る(撮影/横田紋子)
放送50年『Gメン\\\\\\\'75』 「草野刑事」倉田保昭×「響刑事」藤田三保子が特別対談 「俺が来たからもう大丈夫だ」丹波哲郎が演じたビッグな男・黒木警視の安心感
週刊ポスト
月9ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』主演の中井貴一と小泉今日子
今春最大の話題作『最後から二番目の恋』最終話で見届けたい3つの着地点 “続・続・続編”の可能性は? 
NEWSポストセブン
TOKIOの国分太一(右/時事通信フォトより)
《あだ名はジャニーズの風紀委員》無期限活動休止・国分太一の“イジリ系素顔”「しっかりしている分、怒ると“ネチネチ系”で…」 “セクハラに該当”との情報も
NEWSポストセブン
『ザ!鉄腕!DASH!!』降板が決まったTOKIOの国分太一
《どうなる“新宿DASH”》「春先から見かけない」「撮影の頻度が激減して…」国分太一の名物コーナーのロケ現場に起きていた“異変”【鉄腕DASHを降板】
NEWSポストセブン
日本のエースとして君臨した“マエケン”こと前田健太投手(本人のインスタグラムより)
《途絶えたSNS更新》前田健太投手、元女子アナ妻が緊急渡米の目的「カラオケやラーメン…日本での生活を満喫」から一転 32枚の大量写真に込められた意味
NEWSポストセブン
出廷した水原被告(右は妻とともに住んでいたニューポートビーチの自宅)
《水原一平がついに収監》最愛の妻・Aさんが姿を消した…「両親を亡くし、家族は一平さんだけ」刑務所行きの夫を待ち受ける「囚人同士の性的嫌がらせ」
NEWSポストセブン
中世史研究者の本郷恵子氏(本人提供)
【「愛子天皇」の誕生を願う有識者が提言】中世史研究者・本郷恵子氏「旧皇族男子の養子案は女性皇族の“使い捨て”につながる」
週刊ポスト
夫・井上康生の不倫報道から2年(左・HPより)
《柔道・井上康生の黒帯バスローブ不倫報道から2年》妻・東原亜希の選択した沈黙の「返し技」、夫は国際柔道連盟の新理事に就任の大出世
NEWSポストセブン
新潟で農業を学ことを宣言したローラ
《現地徹底取材》本名「佐藤えり」公開のローラが始めたニッポンの農業への“本気度”「黒のショートパンツをはいて、すごくスタイルが良くて」目撃した女性が証言
NEWSポストセブン
1985年春、ハワイにて。ファースト写真集撮影時
《突然の訃報に「我慢してください」》“芸能界の父”が明かした中山美穂さんの最期、「警察から帰された美穂との対面」と検死の結果
NEWSポストセブン