国内

河野太郎氏「原発事故処理、東電株主や銀行も責任取るべき」

 遅れていた政府のエネルギー基本計画の政府案がこのほど明らかになり、安倍政権がいよいよ原発再稼働に向けて大きな一歩を踏み出した。一方で、自民党内にあって、「脱原発」を主張する河野太郎議員に話を聞いた。

 * * *
 再稼働の前に確認し、修正しなければならないことがあります。それは、電力会社の責任の問題です。

 東京電力福島第一原発の事故で明らかになったことなのですが、電力会社は、原発を動かして電気を売った儲けは全部自分たちのものにします。しかし事故が起きたら、賠償や事故処理にかかるお金は、国民の税金でなんとかしてくださいと言っています。儲けは独り占め、トラブル解決は他人任せ。こんなビジネスモデルはありません。

 われわれは当初、電力会社は保険に加入すべきだと主張しました。ところが、保険会社に聞いてみたところ、そんなリスクを引き受ける保険会社はないと言います。

 となると、電気を売って得た利益の中から、事故処理や賠償などに必要な金額を確保しなくてはなりません。では、具体的にはどうするのか。これもまた、議論しなくてはならない課題です。

 一方で、事故処理を東京電力任せにするのには、無理があります。福島第一原発の事故現場では、放射性物質のストロンチウムが含まれた高濃度の汚染水が、100tも漏れていたことが発覚しました。東京電力は、賠償できないどころか、汚染水の対策も、除染もできないのが実態です。

 東京電力は、曲がりなりにも東証一部上場企業です。一般の上場企業ならば、トラブルを起こして債務を抱え、それを払いきれなくなったら、破たん処理をとることになります。経営陣は首になり、株主が持っている株券は紙くずになり、電力会社にお金を貸した銀行は一定の範囲内で責任を取る。それが、資本主義国家の企業の当たり前の姿です。東京電力だけが例外であっていいはずがありません。

 ところが実際には、東京電力はとりあえずそのままにしておいて、税金を投入しようということになっています。株主や銀行も責任を取っていないのに、国民の税金を投入する。これは大問題です。民主党にはできなかったこの決断を、自民党政権になって方向転換する良いチャンスのはず。そこは民主党政権とは違うんだというところを、ぜひ安倍総理には見せてほしいところです。

※女性セブン2014年3月13日号

関連記事

トピックス

会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《ベビーカーショットの初孫に初コメント》小室圭さんは「あなたにふさわしい人」…秋篠宮妃紀子さまが”木香薔薇”に隠した眞子さんへのメッセージ 圭さんは「あなたにふさわしい人」
NEWSポストセブン
試練を迎えた大谷翔平と真美子夫人 (写真/共同通信社)
《大谷翔平、結婚2年目の試練》信頼する代理人が提訴され強いショックを受けた真美子さん 育児に戸惑いチームの夫人会も不参加で孤独感 
女性セブン
阪神独走Vで藤川監督の高知商の先輩・江本孟紀氏が「優勝したら母校に銅像を建ててやる」の約束を「忘れてもらいたい」と苦笑 今季の用兵術は「観察眼が鋭い」と高評価
阪神独走Vで藤川監督の高知商の先輩・江本孟紀氏が「優勝したら母校に銅像を建ててやる」の約束を「忘れてもらいたい」と苦笑 今季の用兵術は「観察眼が鋭い」と高評価
NEWSポストセブン
59歳の誕生日を迎えた紀子さま(2025年9月11日、撮影/黒石あみ)
《娘の渡米から約4年》紀子さま 59歳の誕生日文書で綴った眞子さんとまだ会えぬ孫への思い「どのような名前で呼んでもらおうかしら」「よいタイミングで日本を訪れてくれたら」
NEWSポストセブン
「天下一品」新京極三条店にて異物(害虫)混入事案が発生
【ゴキブリの混入ルート】営業停止の『天下一品』FC店、スープは他店舗と同じ工場から提供を受けて…保健所は京都の約20店舗に調査対象を拡大
NEWSポストセブン
藤川監督と阿部監督
阪神・藤川球児監督にあって巨人・阿部慎之助監督にないもの 大物OBが喝破「前監督が育てた選手を使い、そこに工夫を加えるか」で大きな違いが
NEWSポストセブン
海外から違法サプリメントを持ち込んだ疑いにかけられている新浪剛史氏(時事通信フォト)
《新浪剛史氏は潔白を主張》 “違法サプリ”送った「知人女性」の素性「国民的女優も通うマッサージ店を経営」「水素水コラムを40回近く連載」 警察は捜査を継続中
NEWSポストセブン
ヒロイン・のぶ(今田美桜)の妹・蘭子を演じる河合優実(時事通信フォト)
『あんぱん』蘭子を演じる河合優実が放つ“凄まじい色気” 「生々しく、圧倒された」と共演者も惹き込まれる〈いよいよクライマックス〉
週刊ポスト
石橋貴明の現在(2025年8月)
《ホッソリ姿の現在》石橋貴明(63)が前向きにがん闘病…『細かすぎて』放送見送りのウラで周囲が感じた“復帰意欲”
NEWSポストセブン
決死の議会解散となった田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
「市長派が7人受からないとチェックメイト」決死の議会解散で伊東市長・田久保氏が狙う“生き残りルート” 一部の支援者は”田久保離れ”「『参政党に相談しよう』と言い出す人も」
NEWSポストセブン
ヘアメイク女性と同棲が報じられた坂口健太郎と、親密な関係性だったという永野芽郁
「ずっと覚えているんだろうなって…」坂口健太郎と熱愛発覚の永野芽郁、かつて匂わせていた“ゼロ距離”ムーブ
NEWSポストセブン
新潟県小千谷市を訪問された愛子さま(2025年9月8日、撮影/JMPA) 
《初めての新潟でスマイル》愛子さま、新潟県中越地震の被災地を訪問 癒やしの笑顔で住民と交流、熱心に防災を学ぶお姿も 
女性セブン