実はこのテクニックは、近年、企業の危機管理術として注目されるダメージコントロール手法だという。

「不祥事があった時など、現社長を前社長が叱責したなどという“身内からの批判”をあえて広報する。不祥事を検証する役員会で社長批判を演出することもある。従来なら“ガバナンスが機能していない”と叩かれたが、最近では“この企業には自浄作用が働いている”という好印象を与える効果がある」(大手金融機関の広報担当役員)

 また、夫人の露出については「反面教師になる前例」があったという。

「菅直人・元首相の伸子夫人や鳩山由紀夫・元首相の幸夫人も“物言うファーストレディ”だったが、彼女たちは夫を持ち上げたり、正当化したりする拡声器タイプ。結果的に夫の悪評を2倍、3倍に膨らませた。どうせ注目されるなら、総理の諫め役のほうが国民受けはいい」(官邸スタッフ)

 では、当の本人はその役割を自覚しているのか。昭恵夫人に電話で訊ねてみた。

「不仲(がわざと)ですって? キャハハハ。否定するのもバカバカしいわよぉ~。キャハハハ」

 と、終始ハイテンションのまま電話は切れた。煙に巻かれたのか、“そのまんま”なのかは判別のしようがない。

※週刊ポスト2014年3月14日号

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