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【ドル円週間見通し】ウクライナ情勢がテーパリングを左右か

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、3月17日~3月21日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は、16日のクリミア自治共和国での住民投票の結果を受けたウクライナ情勢の進展、イエレン第15代FRB議長の下での初の連邦公開市場委員会(FOMC)でのテーパリング(量的緩和縮小)の継続を見極める展開となる。

 グリーンスパン第13代FRB議長は、就任直後に、株式市場の暴落「ブラック・マンデー」に遭遇し、バーナンキ第14代FRB議長も、住宅バブルの崩壊を受けた「リーマン・ショック」による株式市場の暴落に遭遇したものの、流動性供給により乗り切った。

 イエレンFRB議長も、現在、ウクライナ情勢の緊迫化により株式市場の暴落に遭遇しつつあることで、テーパリングの継続か中断か、という決断を迫られている。

【ウクライナ情勢】(17日)
 16日のクリミア自治共和国での住民投票では、ウクライナからの独立、ロシアへの編入決定が予想されている。ロシアは、ウクライナとの国境に軍隊を集結させており、ケリー米国務長官は「欧米は17日に非常に深刻な措置をとる可能性」と警告していることで、ウクライナでの軍事衝突の可能性などに警戒する展開となる。

【中国人民元の許容変動幅拡大観測】
 中国人民銀行は、全国人民代表大会に向けて、米ドル買い・中国人民元売りの「非不胎化」為替介入により、中国人民元安誘導を行った。中国人民銀行は、中国人民元の許容変動幅を拡大(1%から2%へ)することが予想されており要注目か。

【日本の2月貿易収支】(19日)
 1月の日本の貿易赤字は、過去最高規模の-2兆7917億円に拡大した。2月の貿易赤字は、6000億円程度が予想されており、貿易赤字は減少するものの、円安要因となる。

【連邦公開市場委員会】(18-19日)
 米国2月の非農業部門雇用者数が予想を上回る前月比+17.5万人だったことで、イエレンFRB議長の下での初のFOMCでは、12月、1月に続き、100億ドルのテーパリングが予想されている。
 
 しかしながら、中国の景気減速懸念、ウクライナ情勢の緊迫化懸念を受けてニューヨーク株式市場が動揺していることで、テーパリングの中断の可能性に警戒する展開となる。

【リパトリ】
 3月期末決算に向けた本邦機関投資家によるリパトリ(外貨建て資産売却・円買い)により円買い圧力が強まることが予想される。

 3月17日-21日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。

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