婚姻状態を維持しつつ、夫婦が自由な生き方をする「卒婚」。有名芸能人が「卒婚」を選択したということもあり、ブームとなっているようだが、そう上手く行くものでもないらしい。宮城県に住むパート勤務の女性・Fさん(58才)が、夫(63才)との卒婚生活を告白する。
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夫には幼友達でふたつ年上の先輩、“Mさん”がいて、彼がすることは何でも流行っていて、いいことだと思っている。就職先、住む地区、バイク、ゴルフ、マラソン。
で、今度は何かと思えば“卒婚”だって。「Mさん、別居してから奥さんとすごくラブラブになったんだってさ。だからオレたちも…」と別居を提案してきたの。
正直、心の中で万歳三唱。初めてMさんに感謝したわよ。定年退職した夫の3度のご飯の用意と、くだらないテレビを一緒に見ろと言われることにうんざりしていたところだったから。
でも、夫が早々に決めてきた新居が問題。なんと同じマンションの1階下の部屋なんだもん。「あんまり遠くに住むとお前に万が一のことがあったら心配だろ? でもいいか? 住んでいる場所は近くてもお互いに干渉しあわないようにするんだぞ」って。
それが引っ越し1日目から「おい、食器はどこにしまえばいいんだ?」「洗濯機はどうやって回すんだ?」「ご飯は何分、電子レンジにかけるんだ」って1日に何回も顔を出したり、私を呼びつけたり。
思っていたより、ひとり暮らしは大変だったんでしょ。ひと月もたず“私の家”にいりびたりで「お茶!」だって。
「いい加減にしろ、くそジジィ! 離婚されたいのかいっ」。自分でもビックリの野太い声で、夫を怒鳴りつけていたわ。
※女性セブン2014年5月1日号