かつて宏池会(現岸田派)の会長を務めた加藤紘一・元幹事長はなんと共産党機関紙『赤旗』の1面で「徴兵制につながる」と安倍路線に警鐘を鳴らした。自民党元幹部の赤旗への登場は古賀誠、野中広務両元幹事長に続いて3人目になるが、引退したとはいえ、古賀氏は党内第3派閥の岸田派の名誉会長であり、野中氏も第2派閥の額賀派に影響力を持つ。
野田氏の“造反”の背後にも、古賀氏や野中氏、さらに二階俊博・衆院予算委員長などの後押しがあるという見方が有力だ。BS11報道局長を務めたジャーナリストの鈴木哲夫氏が語る。
「来年9月の総裁選で野田氏が安倍首相の対抗馬となれば、額賀派の有力候補の小渕優子氏も野田支持に回り、岸田派、額賀派など、安倍首相と距離を置く党内ハト派の結集に向かう」
野田氏らの行動には党内非主流派の“派閥防衛権”を行使する狙いがあるという見方だ。
※週刊ポスト2014年6月6日号