投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、6月1日~6月6日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は、ウクライナ情勢に警戒しつつ、米国5月の景況感指標や雇用統計を見極める展開となる。安倍政権の成長戦略第2弾や、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による外貨建て資産への投資増額期待から、ドルは下げ渋る展開が予想される。
【メスター米クリーブランド地区連銀総裁就任】(1日)
6月1日付けで、ハト派だったピアナルト米クリーブランド地区連銀総裁の後任として、フィラデルフィア地区連銀に勤務していたメスター氏が就任する。連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つ5名の地区連銀総裁は、ハト派2名、タカ派2名となっており、メスター米クリーブランド地区連銀総裁が、前任者と同様にハト派なのか、それとも、勤務していたフィラデルフィア地区連銀のプロッサー総裁と同様にタカ派なのか、見極めていくことになる。
【米国5月のISM製造業・非製造業景況指数】(2日・4日)
米国の1-3月期国内総生産(GDP)改定値は前期比年率-1.0%に落ち込んだものの、4-6月期は前期比年率+3.5%から+4.0%程度まで回復すると予想されている。しかしながら、米国4月のコア資本材出荷がマイナスに落ち込んだこと、オバマケアによる400億ドルのヘルスケアコストが無くなることなど、懸念材料もあることで、5月の米国の景況感指標には要注目となる。
【米国5月の雇用統計】
米国5月の失業率の予想は6.4%で4月の6.3%から上昇が見込まれている。非農業部門雇用者数は前月比+21.8万人で4月の前月比+28.8万人を下回ることが見込まれている。最低予想は、+15.5万人、最高予想は、+29.2万人だが、米国5月の雇用統計の調査対象週である5月12日週の失業保険継続受給者数が減少していたことで、ポジティブ・サプライズに要警戒か。
【本邦機関投資家の外貨建て資産投資】
6月からのGPIFによる外貨建て資産への投資増額観測が高まっていることで、本邦機関投資家による新規の外貨建て資産への投資増額が期待されている。
6月2日-6日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。