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TV業界にダイハツショック 車種によってマス広告を打たない

 5月半ば、民放各局の2013年度決算報告が出 い、前年度比44.8%の大幅減益となったフジテレビを除く大手4社は軒並み増収増益となった。

 フジの減益は「広告収入の悪化とサンケイビルの子会社化で負債を抱えたことが大きい」(経済紙記者)と見られているが、かといって他局が顔をほころばせているわけではない。収入の柱であるスポンサー収入に明るい見通しが立たないのが理由だという。

「昨年は“当たり”の番組が多かったのでスポンサー離れに歯止めがかかったが、今年の“不作”を目の当たりにした大手企業は早くもCM離れを模索している」(広告代理店関係者)

 そんな中で、テレビ業界に「ダイハツショック」と呼ばれる激震が起きた。

 ダイハツといえば、「タント」や「ムーヴ」などのスポットCMを数多く提供する民放の大スポンサー。CM放送回数ではトヨタ、日産、スズキに次ぐ自動車メーカー第4位で、CM好感度も自動車メーカーではトヨタに次ぐ2位(CM総合研究所調査)。

 だが、4月24日に行なわれた決算発表会で、ダイハツの堀井仁・上席執行役員が「コペン(6月発売の軽スポーツ車)から、(車種によっては)マス広告は打たない試みを始める」と発言した。前出の広告代理店関係者はいう。

「自動車メーカーに限らず、家電業界などでもイメージ広告で不特定多数の視聴者に宣伝する手法に疑問を感じている企業は多い。“確実に商品に興味のある人に訴えることができるネット広告のほうが費用対効果が高い”という考え方が広がりつつあるように感じます」

 さらには、『明日、ママがいない』(日本テレビ系)が差別を助長するとして批判を浴び、全スポンサーが降板した「明日ママショック」の影響を心配する声もある。

「以前に比べて、番組に対する視聴者の目は格段に厳しくなっている。イメージを最優先するスポンサーにとって、テレビにCMを出すリスクが大きくなっている」(大手企業の宣伝担当者)

※週刊ポスト2014年6月13日号

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