ビジネス

企業のロゴ制作 デザイン費用で1億円以上かかることもある

多数の日本企業のブランディングを手がける滝本孝一氏

「海外市場での認知度を上げたい」「ホールディングス化でイメージを変えたい」──企業のそんな要望に応えるブランド構築の専門会社がある。

 企業のブランド戦略からシンボルマークのデザイン、その広め方まで手がけるブランディングの世界的企業「ランドーアソシエイツ」。1941年にウォルター・ランドー氏が米サンフランシスコで創業し、今や世界20か国に26のオフィスを構える。VISAやGE、ニューヨーク証券取引所をはじめ名だたる企業のロゴマークを数多く手がけてきた。
 
 日本への進出は1972年。東京オフィスのシニア・マーケティング・ディレクターを務める滝本孝一氏は、これまでに80社を超える日本企業のブランディング、ロゴデザインを手がけてきた。
 
「単にデザインするだけではなく、背景にある企業の哲学や姿勢、理念などをベースに企画をまとめ、場合によってはネーミングなどもする、ブランド戦略プロデューサーという役目です」
 
 そもそも「ブランド」とは家畜の焼印を指す言葉だ。当初、自分が生産する家畜に焼印を押すことは識別のための出生証明にすぎなかったが、「やがて“あの焼印の肉は美味しい”といった評判が立ち、それが品質の証明へと機能を拡大していった。今やブランドの構築は企業経営における中心的な課題とみなされるようになった」(滝本氏)という。

「法人」というように、企業には人と同じように個性や人格がある。企業のロゴマークは、まさにその「顔」にあたる、と滝本氏はいう。
 
「ベースになっている企業理念やビジネス戦略──簡単にいえば何をつくり、何をサービスしているかを的確にとらえ、その“企業らしさ”を表現するのがロゴマークといえます」
 
 まずはどういう企業になりたいかという理想の姿を徹底的にリサーチするところから始まる。
 
「リサーチには通常3~6か月くらいかけます。インターネットを中心に、その企業がどういうイメージを持たれているのか、競合他社がどのような戦略をとっているのかなどを調査、分析する。企業トップに加え、アナリストや大学教授などの有識者、業界紙関係者などにヒアリングしたり、顧客や従業員に集まってもらってグループリサーチしたりするケースもある。他社との違いを認識しながら、“らしさ”をどう出すか、戦略を考えていきます」
 
 リサーチの次はデザイン作業だ。最低でも200~300、場合によっては1000~2000ものデザインを描く。グローバル企業を目指す場合は、世界中のオフィスからアイデアを募ることもあるそうだ。

関連キーワード

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の判決は執行猶予付きに(画像はイメージ、Getty)
「何もついてない、まっさらな状態で抱きしめたかった」呼吸器に繋がれた医療的ケア児の娘(7)を殺害した母(45)が語った「犯行時の心情」【執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト