ビジネス

アベノミクス相場は昨年末の靖国参拝で終焉を迎えたと専門家

 最近の日本株の動向を見て、「じっくり投資できる時期になった」と語るのは、レオス・キャピタルワークスの最高投資責任者、藤野英人氏。自身が運用責任者を務める「ひふみ投信」が「R&Iファンド大賞」を3年連続で受賞し、いま最も注目されるカリスマファンドマネージャーの一人だ。日本株を取り巻く相場環境について、藤野氏が解説する。

 * * *
 昨年来、日本株は「アベノミクス相場」と持て囃され、一本調子で上がり続ける相場が続いていたが、もうすでにアベノミクス相場は終焉しており、株式市場は次のステージに入っている。

 もちろん、安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」自体は、いまなお続いている。しかし、こと株式市場に関していえば、近年まれに見る熱狂的な上昇相場は、日経平均株価が1日で1143円も下落した2013年5月23日に“中締め”となった後、年末の安倍首相の靖国参拝で終焉を迎えた。

 新聞各紙の首相動静欄を見ても、当の安倍首相の関心が経済から防衛・外交にシフトしているのは明らかだ。今年に入ってから首相が顔を合わせたのは防衛省や外務省関係者が目立ち、経済閣僚と会う回数は驚くほど減っている。その顔ぶれを見ても、安倍政権の経済に対する関心が当初より薄れているのは間違いない。

 すでに外国人投資家はそんな雰囲気を察知し、2月以降、日本株の売りを加速させてきた。株式市場はもはや「ポスト・アベノミクス相場」の時代に入ったと見た方がいいだろう。

 振り返ってみると、アベノミクス相場は大きく前期と後期で分けることができた。野田佳彦前首相の解散宣言で政権交代した直後から、国際優良銘柄を中心に外国人投資家の買いが集中し、日本株は大きな上昇を見せた。相場の“水位”が上がるなか、大型株中心のポートフォリオさえ組めば、誰でも勝てるような状況が続いた。

 それを前期とすれば、後期は「5・23ショック」によってもたらされた。大型株の株価が冴えないなか、物色の中心は中小型株にシフトしていった。私が運用責任者を務める「ひふみ投信」も多くの新興株を組み入れた戦略が功を奏し、運用成績は向上した。しかし、そのような相場環境も靖国参拝によって終焉を迎えたのである。

※マネーポスト2014年夏号

関連記事

トピックス

不倫が報じられた錦織圭、妻の元モデル・観月あこ(時事通信フォト/Instagramより)
《結婚写真を残しながら》錦織圭の不倫報道、猛反対された元モデル妻「観月あこ」との“苦難の6年交際”
NEWSポストセブン
国民民主党から参院選比例代表に立候補することに関して記者会見する山尾志桜里元衆院議員。自身の疑惑などについても釈明した(時事通信フォト)
《国民民主党の支持率急落》山尾志桜里氏の公認取り消し騒動で露呈した玉木雄一郎代表の「キョロ充」ぷり 公認候補には「汚物まみれの4人衆」との酷評も出る
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《永野芽郁に新展開》二人三脚の“イケメンマネージャー”が不倫疑惑騒動のなかで退所していた…ショックの永野は「海外でリフレッシュ」も“犯人探し”に着手
NEWSポストセブン
“親友”との断絶が報じられた浅田真央(2019年)
《村上佳菜子と“断絶”報道》「親友といえど“損切り”した」と関係者…浅田真央がアイスショー『BEYOND』にかけた“熱い思い”と“過酷な舞台裏”
NEWSポストセブン
「松井監督」が意外なほど早く実現する可能性が浮上
【長嶋茂雄さんとの約束が果たされる日】「巨人・松井秀喜監督」早期実現の可能性 渡邉恒雄氏逝去、背番号55が空席…整いつつある状況
週刊ポスト
発見場所となったのはJR大宮駅から2.5キロほど離れた場所に位置するマンション
「短髪の歌舞伎役者みたいな爽やかなイケメンで、優しくて…」知人が証言した頭蓋骨殺人・齋藤純容疑者の“意外な素顔”と一家を襲った“悲劇”《さいたま市》
NEWSポストセブン
6月15日のオリックス対巨人戦で始球式に登板した福森さん(撮影/加藤慶)
「病状は9回2アウトで後がないけど、最後に勝てばいい…」希少がんと戦う甲子園スターを絶望の底から救った「大阪桐蔭からの学び」《オリックス・森がお立ち台で涙》
NEWSポストセブン
2人の間にはあるトラブルが起きていた
《浅田真央と村上佳菜子が断絶状態か》「ここまで色んな事があった」「人の悪口なんて絶対言わない」恒例の“誕生日ツーショット”が消えた日…インスタに残された意味深投稿
NEWSポストセブン
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン