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大砲嫌うアマ球界指導者 つなぐ野球で結果残し自らの職守る

 今年、本塁打ランキングに名を連ねるのは、両リーグとも外国人ばかりで、上位5人のうちパは3人、セは1位から4位までを外国人が占めている(6月12日現在)。なぜ和製大砲が生まれなくなってしまったのだろうか。問題はプロ選手を輩出するアマチュア球界にもありそうだ。野球評論家の広澤克実氏の弁。

「最近のアマチュアの指導者は基本的に大砲を嫌う傾向がある。走攻守の三拍子揃った俊足・巧打の選手を好むのです。高校野球の監督の中には引っ張ってアウトになるなと指導する者までいます。右方向に流してアウトになるのはいいがサードゴロはダメと、凡打の内容にケチをつける。とにかく三振だけは絶対にするなと教えてホームランバッターが育つわけがないでしょう」

 そうした傾向は、プロ選手を多く輩出する名門チームにより多く見られるという。多くの名門校では結果を出さないと監督やコーチの契約を切られる。ならば確率の低いホームランを期待するより、ミート重視でつなぐ野球をやらせたほうが、チームとしては結果を残せ、監督の延命にも繋がるというわけだ。金属バットの導入が大きいという指摘もある。

「『やまびこ打線』の池田や、『KKコンビ』のPL学園の時代は、軽い金属バットを振り切ることで打球が飛んだ。ところが軽量化が進んだことでルールが改正され、バットが重いものに変えられた(2001年以降は900g以下が禁止)。そのため振り切れなくなって本塁打が激減し、その頃から高校野球もミート打法重視に変化した」(関西の強豪高校野球部のコーチ)

※週刊ポスト2014年6月27日号

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