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パチンコ税 勝った時だけ課税するのは税の平等原則に外れる

 4月の消費増税に続き、これから安倍政権による大増税路線「アベノタックス」の暴走が待ち構えている。相続税、軽自動車税、そして消費税10%への引き上げが予定されている。そればかりではない。政府・自民党内からはさらに次から次へと新税や増税計画がもちあがっている。怪しい新税計画の筆頭が「パチンコ税」創設だ。

 パチンコの景品換金に課税することが検討されており、税収は「1%なら2000億円」という試算もある。徴収の対象はパチンコ店ではなく利用者だ。自民党内に今年2月に設立された議員連盟「時代に適応した風営法を求める会」が打ち出した。メンバーには会長の保岡興治・元法相をはじめ、野田毅・自民党税調会長、高村正彦・副総裁といった党重鎮が名を連ねている。

 だが、税制としては多くの矛盾がある。刑法では賭博禁止が定められており、現在のパチンコはそれに抵触するかしないかのグレーゾーンに位置づけられる。だから景品の換金はパチンコ店とは別経営の交換所(古物商)が客から「景品を買い取る」という通称・三店方式で法の抜け道をつくっている。

 仮にパチンコ客が「古物商に景品を売る行為」に課税するとしよう。ならばパチンコの景品だけではなく、中古家電をリサイクルショップに売る時などにも課税しなければ筋が通らない。税法学者で税理士でもある浦野広明・立正大学法学部客員教授が語る。

「もし個人がパチンコで得た利益に課税する方法をとるならば一種の所得税になる。その場合、昨年、国税庁が馬券の配当に課税した時に話題になったように、年間の勝ち負けを通算して計算するのが基本だ。勝った時だけ税を取るのは不公平で税の平等原則から外れている」

※週刊ポスト2014年7月11日号

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