涙にはストレス解消の効果があるといわれるが、泣ける“ツボ”は人それぞれ。今回は、36才パート女性が地元の人の温かさに触れたエピソードを語ってくれた。
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7才の娘の喘息がひどかったので、都会から田舎に引っ越すことに。ほどなく娘の発作はなくなり、家族3人ゆったりと過ごしていました。ところが、幸せな日々も束の間、夫が事故で亡くなってしまったんです。
仕事を探すためにも都会に戻るべきかと悩んでいたある日、娘が「お父さんに手紙を出したい」と言いだしました。そこで、天国にいる夫へ手紙を書き、風船に結んで空に飛ばすことにしました。
娘の手紙には「お父さんへ元気ですか? 天国はどんなところですか? わたしもお母さんも、すごくかなしいです。いい子になるから、帰ってきてください。 R美」と書いてありました。娘は、風船が見えなくなるまで青空を眺めていました。返事が来ないことはわかっていただろうと思います。
ところが、それから1週間ほどが経ったころ、差出人の書かれていない娘宛ての手紙が、ポストに入っていました。開封すると、丁寧な字で、こう書かれていました。
「R美へ お父さんは元気です。天国は楽しいところだよ。神様との決まりごとで帰れませんが、お母さんの言うことをよく聞いて、いい子でいてください。ずっと見守っているからね。お父さん」
娘は喜んで、手紙を部屋の壁に飾っていました。筆跡が違いますし、もちろん夫ではありません。風船を拾った人が善意で返事をくださったのだと思いますが、住所を書いたわけではないので、不思議に思っていました。
後日、風船を拾ってくれたのが隣の町のかただとわかりました。娘の名前を頼りに、多くのかたが協力して、この家を探してくださったそうです。その話を聞いた私は、都会に戻ることをやめました。温かい人たちが集うこの土地で、娘を育てていこうと決意しました。
※女性セブン2014年7月17日号