国内

1時間50ml以上の豪雨 30年前の年平均174回が最近236回に増

 6月29日、東京都心で発生した猛烈な豪雨は買い物客などで賑わう日曜夕方の風景を一変させた。降り始めてものの数分で運転を見合わせる鉄道が出るなど交通機関は麻痺状態に。

 1時間もしないうちに雨はあがったのだからまさに「ゲリラ豪雨」だが、降水量は東京都練馬区で1時間に45ミリ、埼玉県朝霞市では110ミリを観測した。通常の夕立ちは10~20ミリ程度だから、その激しさを数字が物語っている。

 もともと水に弱い日本の都市部でのゲリラ豪雨はこの夏、さらに激しさを増すとみられている。防災科学技術研究所の三隅良平研究員が日本列島周辺の気象状況を解説する。

「今年の特徴は偏西風が南に蛇行して流れていることです。日本列島の南側まで偏西風が南下するので、東日本上空には氷点下10度程度の寒気がたびたび入り込むことになります。

 これが夏場の都市部のヒートアイランド現象と合わさって、上空と地上の寒暖差が大きくなると、巨大な積乱雲が発生する。ゲリラ豪雨が繰り返し起きる状態が生まれるのです」

 首都圏で観測された1時間に100ミリを超える豪雨がこの後も日本中の大都市を襲う可能性があるというのだ。

 多くの人が持っているであろう、「日本の気候がおかしくなっている」という感覚は正しい。

 危機管理ジャーナリストの渡辺実氏によれば、全国に1300地点ある観測点のデータで、1時間に50ミリ以上の豪雨は、1985年までの10年間では年平均174回だったものが、直近10年間では236回にまで増えている。

※週刊ポスト2014年7月18日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

「高市外交」の舞台裏での仕掛けを紐解く(時事通信フォト)
《台湾代表との会談写真をSNSにアップ》高市早苗首相が仕掛けた中国・習近平主席のメンツを潰す“奇襲攻撃”の裏側 「台湾有事を看過するつもりはない」の姿勢を示す
週刊ポスト
クマ捕獲用の箱わなを扱う自衛隊員の様子(陸上自衛隊秋田駐屯地提供)
クマ対策で出動も「発砲できない」自衛隊 法的制約のほか「訓練していない」「装備がない」という実情 遭遇したら「クマ撃退スプレーか伏せてかわすくらい」
週刊ポスト
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
3年間に合計約818万円のガソリン代を支出していた平口洋・法務大臣(写真/共同通信社)
高市内閣の法務大臣・平口洋氏が政治資金から3年間で“地球34周分のガソリン代”支出、平口事務所は「適正に処理しています」
週刊ポスト
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
《交際説のモデル・Nikiと歩く“地元の金髪センパイ”の正体》山本由伸「31億円豪邸」購入のサポートも…“470億円契約の男”を管理する「幼馴染マネージャー」とは
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
NEWSポストセブン