カラコンの通販サイトを見ると、レンズ径が16ミリという大きなものもある。14.2ミリのサイズしか選べないブランドもあった。デカ目効果を望んで徐々に大きなレンズに変える人もいるが、コンタクトレンズで大は小を兼ねるという発想は危険だ。
「大きすぎるレンズは目の中に固着しやすいので、トラブルを起こしやすいです。眼球の大きさやカーブは人によって違います。右目と左目で違うこともあります。25センチの足に23センチの靴を選ばないように、コンタクトレンズもフィッティングが大事なんです」(前出・植田さん)
カラコンには製品そのものの安全性への疑問もつきまとう。2009年に度なしのカラコンの製造・輸入にも厚生労働省の承認が必要になったが、市場の拡大が急速すぎて、第三者によるテストが十分とは言えないのが現状だ。
「コンタクトレンズは十分に酸素を透過することが求められるため、透明なレンズには安全性の高い新素材による製品が提供されています。しかしカラコンでは酸素を通しづらい古い素材のままの製品が多い。こうしたカラコンを装着すると、角膜は酸素不足から眼障害を生じます。さらに製品によっては、露出した色素が角膜や結膜に刺激を与えて障害を起こすこともあります。どのカラコンが安全か、眼科医に相談するのが一番です」(前出・植田さん)
植田さんがもっとも心配しているのは、まるでアクセサリーを買うような感覚でカラコンを購入し、使っている人たちだ。
「信じられないかもしれませんが、これまで見聞きした患者さんのなかには、友達どうしでカラコンを貸し借りしたり、度ありの透明なコンタクトレンズにカラコンを重ねたりする高校生もいました。視力補正のための度ありコンタクトレンズを使ったことがない人は、誤った使い方をしている人が多いようです。コンタクトレンズは必ず、眼科で定期検査を受けながら、安全に使い続けてください」(前出・植田さん)
カラコンはすべてソフトレンズだが、ハードレンズに比べ角膜が傷ついても痛みなど症状を自覚するのが遅く、レンズをつけると一時的に痛みが和らぐため、気づくと深刻な病状まで進むことも。視力低下や、最悪の場合は失明に至ることがないように、健康的におしゃれに取り組んでほしい。