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マック離れ加速「世界戦略と日本の状況がミスマッチ」と識者

厳しい経営が続く日本マクドナルドのサラ・カサノバ社長

 仕入れ先だった中国の食品加工会社による“腐肉問題”を受けて、「チキンナゲット」「チキンクリスプ」などの販売中止に追い込まれた日本マクドナルド。そのダメージは大きく、7月の既存店売上高は前年同月比で17.4%減。客数や客単価も軒並み落ち込んだ。

 8月に入り、鶏肉商品を中国からタイ製へと切り替え、ようやく全店で販売再開にこぎつけたようだが、一度失った消費者の信頼を回復させるのは容易ではない。

 千葉県内にある大型ショッピングセンター内に出店しているマックは、いつもの土日ならレジが追い付かず家族連れが列をつくるほどの盛況ぶりだが、問題発覚後の7月下旬から目に見えて客足が途絶えていた。

 プラカードを持った店員が、「ただいまの時間からマックシェイクのバニラが50円です」と、フードコート内を歩き回る姿も見られたほど。

 シェイクに限らず、マックは7月23日よりポテトを全サイズ150円に、8月13日からは炭酸ドリンクを全サイズ100円で提供するなど、サイドメニューのお得感で客数を取り戻そうと必死だ。

 しかし、「食肉問題がなくても、もはや原価の安いサイドメニューで客を呼び込める時代ではない。マックの復活にはバーガー類の品質向上と息の長いヒット商品を生み出すしかない」と、ファストフード業界に詳しい飲食コンサルタントは指摘する。

 昨年8月に日本マクドナルドの社長に就任し、今年3月から持ち株会社のトップにも君臨するカナダ人女性のサラ・カサノバ氏も「メニューの魅力不足」は認めている。

 サッカーW杯に合わせて日本やブラジルなど出場国をイメージしたハンバーガーの新商品を相次ぎ投入するも、売り上げに大きく貢献するまではいかなかった。中にはアボカドを用いたバーガーのように女性客を中心に好評の商品もあったが、食材の調達を少なく見積もったために売り切れ店が出て「販売の機会ロス」を招くなど、ちぐはぐな経営が続く。

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