芸能

NHKアナウンス室 誰にも媚びない「2人の奈穂子」で盤石か

 ドラマ、ニュース、情報番組。テレビの影響力はやはり大きい。画面の向こうは人気商売、しかし視聴者は敏感に感じとるものだ。作家で五感生活研究所の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
 松下奈緒が佐藤隆太と夫婦役で共演し、話題の土曜ドラマ「芙蓉の人 ~富士山頂の妻」(NHK総合午後9時)。富士山頂の気象観測をなし遂げた実在の夫婦の物語です。

 ドラマは妻・千代子が中心軸となって回っていきます。「一人にしておいたら死んでしまう」と、夫の後を追って富士山頂へと向かう妻。力強く夫をサポートする千代子役に、松下奈緒がぴったりとはまっている。

 彼女はそもそも朝ドラ「ゲゲゲの女房」で大ブレイク。東京音楽大卒、クラシックピアノの名手でCDも出している異色のお嬢様系。この夏、身長174cmというあのダイナミックな容姿を目にする機会が多い。ドラマの番宣もあってか、「鶴瓶の家族に乾杯」にもゲスト出演した松下さん。「家族に乾杯」を見ていると結構、積極的。お嬢様系のお澄ましかと思ったら、いやいや。

 相手が躊躇しても、ひるんでも、ズバッと聞く。ちょっと押しが強い面もかいま見え、ますますドラマの役柄にぴったり。関西出身ノリの積極性か、自然でイヤみがない。そのあたり、独特の魅力なのかもしれません。

 いや、松下さんだけではないのです。NHKでは、今「なお」という響きが、キラリと光っています。注目の「なお」が他にもいます。一人目は、橋本奈穂子アナウンサー。4月から「首都圏ネットワーク」を担当し、地域のニュース等を淡々と、彼女らしく柔らかに読み上げています。

 そもそも彼女が注目を集めたのは、深夜のライブニュース「NEWS WEB」。当意即妙のやりとり力は、鮮やか。ツイッターから届く視聴者の声を即座に番組に反映させていく。ゲストとの対話に引き入れる。生放送の尺の中に全体をぴたっと落としていく。小気味良い采配ぶりでした。

 落ち着き。視野の広さ。真面目さ。遊び心とのバランス。肩肘張るわけでもなく、しかし、ふざけすぎるわけでもなく。誰にも媚びず、楽しそうに仕事をする。東京都議会でセクハラヤジがあった際は、ニュースを伝える表情に強い意志が滲んでいました。「この問題を曖昧にするつもりはない。私は怒っている」。静かなる意志が、表情からはっきりと伝わってきて、ますますファンになってしまいました。

 ああやっと、こういう女性が出てきたんだ。自然体で番組を回していく、たくましくて愛らしい牽引役が活躍する時代が、来たんだ。ぜひ、これからNHKを回していく看板キャスターに育っていってほしい。女が期待する、女性キャスターです。

関連記事

トピックス

店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
乱戦の東京15区補選を制した酒井菜摘候補(撮影:小川裕夫)
東京15区で注目を浴びた選挙「妨害」 果たして、公職選挙法改正で取り締まるべきなのか
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト