ソチ五輪スノーボード女子パラレル大回転で日本人初のメダルとなる銀メダルを獲得した竹内智香選手(30才)。今から7年前、彼女は代表チームから外された選手だった。そんな彼女が、起伏に富んだ半生を綴った『私、勝ちにいきます』(小学館)を上梓。同書を読んだ先輩にして友人、シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さん(42才)との特別対談が実現した。
高橋さんを驚かせたのが、竹内さんの食生活についてだった。
高橋:マラソンなど陸上競技では体重を減らさないといけないけれど、スノーボード競技の場合はどうなの?
竹内:体重はあまり気にしなくていいので、好きなものを食べています。お菓子もジュースも普通に。
高橋:お菓子? ジュース? それで大丈夫なの!?
竹内:はい、大好きなんで(笑い)。実は今、新しく通いだした都内のトレーニングジムの隣に駄菓子屋さんがあるんですよ。
高橋:その環境はまずいなぁ(苦笑)。
竹内:いつも駄菓子屋さんに立ち寄って、買い込んで食べながら帰るのが、最近のルーティンになっています。
高橋:ありえない!(笑い)。でも、9月からはフェリックスさん(竹内さんのコーチ)が推奨するオーガニック生活が始まるんでしょ?
竹内:そうなんです。以前にもフェリックスとスーパーマーケットに食料品を買い出しに行った時、私がスナック類やジュースをカゴに入れていたら、「お菓子はダメだ!」と棚に戻されました。
高橋:そこまでして食べたいんだ…(笑い)。まだ若いかもしれないけれど、30才過ぎたら食生活も気をつけないとダメだよ。きちんと栄養を摂らないと判断力や集中力が低下しちゃうのよ。
竹内:食事で集中力が変わるということですか? 同じお腹いっぱいでも、お菓子とご飯は違うってことですか?
高橋:全然違うから! 私、今、トップアスリートと話をしているとは全く思えないよぉ~(笑い)。
竹内:でも私、ソチの時も控え室でハッピーターン(楕円形の洋風せんべい)を食べて、お昼寝してから試合に行ったんですよ。ハッピーターンを食べると元気になるから。
高橋:本当に緊張した感じは全然なかったね。いつもの普段通りの智香ちゃんだもんね。そういう意味ではいいのかもしれないけど、食事面ももっと気を使ってみて。バランスのとれた食事をして、山登りや高山でトレーニングすると、足場が悪いところで瞬時に反応ができたりするんだから。
普段食事はどうしてるの? まさか外食ばっかり?
竹内:はい、ラーメンとか(笑い)。東京では一風堂か九十九ラーメン! それか、カレーライスか、定食屋さんか。でも、定食屋さんに行く時の私は結構立派だと思います。魚、サラダ、ご飯、お味噌汁ですから。
高橋:智香ちゃんにおすすめしたいものがあるんだけど…私、最近、釜飯にハマってるの。旅館にあるような下に固形燃料がある1人用の釜が2000円くらいで売っていて、火をつければ自分で見なくても、20分後には炊けてるの。すごい便利だし、いろんな具材も入れられて、体にもいい。
竹内:う~ん、そっか。お菓子だけじゃダメですか。基本的に体調はいつも調子がいいけれど、今度実験してみます。
高橋:是非やってみて(笑い)。何を食べた後が、自分の体の調子がいちばんよかったかをノートに記録することがとても大切よ。
※女性セブン2014年8月21日・28日号