とはいえ、現実にはキラキラアドレスは健在だ。交際相手と自分の名前をloveやforeverなどの単語とハイフン、アンダーバーでつなぐアドレスは今も根強い人気アドレスだ。そのためたびたび問題視されているのだが、レポートをメール提出させている都内の大学教員は、キラキラアドレスよりも基本的なメール操作の方法を気にかけてほしいと訴えている。
「差出人名義をフルネームで設定していない学生が多いのです。そこがあれば、実はアドレスがキラキラかどうかは目に入りづらい。私が聞く範囲では、学生が気にするほど企業も気にしていません。でも、差出人が空白だと受信トレイにメールアドレスがむき出しになるので、どんなアドレスか印象に残ります。そして、本文中で自分の名前をフルネームで名乗らない人が少なくない。私は添付ファイルに学籍番号と名前があるので誰からなのかわかりますが、教員である私でなければわからないですよ。
PCのメールソフトにアドレスを設定するのが主流だったころは、たまに学生からメールをもらっても誰からかわからないようなことはありませんでした。フリーアドレスとスマホが普及してからは、設定というものがあることすらわからない学生が増えました。日本語アドレスが実用段階になったら覚えやすくて教えやすく、きっと便利だとは思います。でも、メールに最低限必要なことは何か、今以上に基本的なことから説明しないとならないでしょうね」(前出・大学教員)
将来、日本語対応したメールアドレスがキラキラ化することは避けられないだろう。登録が始まったら、「坂本龍馬@メール.グーグル」や「勝海舟@メール.グーグル」といったアドレスが欲しくて殺到する様子が容易に想像できる。からかいのもとになりがちなキラキラアドレスだが、日本語対応で種類が増えすぎたアドレスを問題にするのがバカバカしくなり、作法にもっと注目が集まることになりそうだ。