投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の8月18日~8月22日の動きを振り返りつつ、8月25日~8月29日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇。前週からのリバウンドの流れが続く中、週後半には一時8月1日以来となる15600円を回復する局面をみせた。週末こそ利益確定の売りに反落となったが、日経平均は2013年12月17~30日以来の9営業日続伸を記録した。
カンザスシティー連銀経済シンポジウム(ジャクソンホール会合)でのイエレンFRB議長講演を見極めたいとする様子見ムードのなか、こう着感の強い相場展開が予想されていた。ロシアのプーチン大統領とウクライナのポロシェンコ大統領、それにEUの代表らが26日に会談することになったことから、停戦に向けた動きへの期待が高まる半面、26日の結果をみるまでは強気にもなりづらいところでもあった。さらに9月1日の米レイバーデーまで夏季休暇に入る投資家や市場関係者も多く、海外勢の資金流入が全般的に低調となるとみられていた
しかし、日中こそ狭いレンジ取引が続いたものの、早期利上げ観測が後退している米国市場の上昇が追い風となり、日経平均は寄り付き段階で海外株高にサヤ寄せする格好でのギャップ・アップによるリバウンド基調が続いた。また、外部要因などの様子見材料がある一方、市場の関心は9月の内閣改造、臨時国会に向けた政策期待の高まりに向かった。参加者が限られ指値状況が薄い中を、断続的なインデックス買いによって指数を押し上げた格好のようだ。
今週はジャクソンホール会合が通過することにより、アク抜け感が台頭する可能性がある。これまでジャクソンホールでの議長講演の時の米国株式市場は、6年連続で上昇しているようだが、一方で、肩透かしを警戒する向きのポジション調整につながった面もあろう。日経平均の連騰が9でストップしたとはいえ、7月末の戻り高値(15759.66円)が射程圏内に入るなか、イエレン議長講演の内容が嫌気されたとしても、目先の調整については押し目買いの好機との見方につながろう。